ノリオ

ヤッターマンのノリオのレビュー・感想・評価

ヤッターマン(2008年製作の映画)
3.3
深田恭子のボンテージ姿を見たいがためだけに映画館に行くのもどうも決め手に欠けていたのだが、それでもやっぱり見たいのでDVDで鑑賞。

ガンちゃん(櫻井翔)は父の遺志を継ぎ、犬型の巨大ロボット“ヤッターワン”を完成させた。そしてアイちゃん(福田沙紀)と力を合わせ、愛と正義の味方ヤッターマン1号・2号としてドロンジョ(深田恭子)率いるドロンボー一味と戦うことに。ある日、一味が探しているのは何でも願いがかなう伝説のドクロストーンだと判明したのだが・・・。


三池崇史は変態である。

『ビジターQ』の冒頭部分を見たことがある人間なら、子供連れで三池作品を見に行こうなんて絶対に思わないはずである。
毒にまみれた加藤鷹のような風貌で、映画を量産し続ける映画モンスター三池崇史。
そんな彼が、『ヤッターマン』を撮る。
日活は頭がおかしい。いやこれはいい意味で。
しかも制作費は二十億円。やっぱり頭がおかしい。



これほどのびのびとしている三池崇史は久しぶりだ。
彼の得意分野とも思われる『クローズ ZERO』でもまとまった印象があった。

けれど『ヤッターマン』は違う。
これは三池崇史の変態プレイの集大成と言えるかもしれない。
性行為のような直接的な表現はもちろんないが、“映画”という手段で徹底的に女優に対して羞恥プレイを行っている。

彼の愛情は倒錯している。
ヒロインであるはずのヤッターマン2号なんてどうでもいいのだ。
いやヤッターマンなんてどうでもいいのだろう。
彼が愛するのはドロンジョ、しかも深田恭子が演じるドロンジョ以外ないのである。

ただどうでもいいはずのヤッターマン2号もやっぱり気になるのが男心。
三池崇史は欲張りだ。
どうみてもSである福田沙紀を虐げることでその欲求を満たしている。


もちろん本命はドロンジョだ。
おそらく登場している時間は彼女が一番かもしれない。


三池崇史にとってテーマとかそんなものは関係ない。
二十億もかけて女優を苛め薄ら笑いを浮かべたいだけなのである。


映画学校に入ったとき同級生に

「小津っていいよね?」

と聞かれ、本気で『オズの魔法使い』と思った、というエピソードはあまりに有名だ。


三池崇史のような男に二十億もの大作が任されるのなら、まだまだ日本映画も捨てたもんじゃない。
ノリオ

ノリオ