ロールシャッハ

アスのロールシャッハのレビュー・感想・評価

アス(2019年製作の映画)
5.0
私は空いた時間に町の自警活動をしていて、事件解決の依頼を受ける事が稀にあります。

その時の依頼は自分と同じ顔をした、まさしくドッペルゲンガーに襲われるというもので、無事依頼者のドッペルゲンガーを葬る事が出来ました。

妙にあっさり解決した違和感を感じつつも、家族の待つ自宅マンションに帰りエレベーターに乗った所、横目で見た鏡に映る私の服装が明らかに違うのです。
これは不味い…!と恐怖を感じ、察した事を鏡の自分に気づかれない様にやり過ごし、早く家族の元へ駆けつけようと頭を巡らせました。
するとエレベーターが到着する瞬間に、鏡の私がこちらを見てニヤリと表情を変えたので私はいよいよ悪寒がし、大慌てでエレベーターから出て自宅の玄関を開けました。
そこは肌で感じるほど不穏な空気がしたので、急いでリビングに向かうと私の顔をした人が見えます。
側に家族の気配もしたので、すぐに私自身のドッペルゲンガーに斬りかかろうとした所、リビングには更にもう1人の私が!

という所で私は大声をあげて目覚め、その当日の深夜に前知識、前情報一切無しでこの映画を観賞しました。

たまたま似た内容の夢だっただけだと自分に言い聞かせつつ、尋常ではない恐怖を感じながら観たという超個人的映画体験でフルスコアを付けさせて頂きます。

演出でなるほどと思ったのをひとつ挙げると、暴力を勿体つける場合と瞬殺される場合がある点です。
あれは表面的には違和感になりそうなものですが、ジョーダンピールはもちろん意図的で、この映画のテーマである格差社会に対する風刺だと思います。