元々特別なオンリーワン…じゃなかったのかよ！
深夜、家の敷地内に誰かが侵入している…
「誰」だったら一番怖いだろうか？
…っていうアイディアから始まった映画だとは思う
これが「自分」というのはメチャクチャ斬新って訳でもない（というか、どんなアイディアでも「自分」を代入すれば、ある水準の面白さは担保できるように思う。）
そのアイディアから一つの世界を作り上げる…アイディアの膨らませ方にこそ、作り手のセンスや思想が色濃く出るもの
それはつまり、作り手の「世界の見方」なのだと思うのだ
前作でも思ったが、ジョーダン・ピールという人の世界の見方は不思議だなと（そして好きだなと。）
おそらくはコメディアン出身というのが理由だと思うのだが、一般的な俯瞰視点を更に俯瞰している様な印象がある
その視座から見える世界では「他人」も「自分」も一緒くたに見えるが故に、全てが「ネタ」に昇華される
本気で主張した考えを、次の瞬間には皮肉で茶化す様な…うーん上手く表現できん
恐怖の見せ方はホラー史的にも「手堅い」の一言
家族それぞれの「自分との戦い」もオーソドックスながら見せ場として機能していた
個人的にシーンそのものに興奮とかはあまり無かった（「シンクロ」に関してはもっといろいろできただろとは思ったり。）
やはり「構造」とか「絵解き」に特化した作りの映画だなとは思う（実際映画は小道具、構図、名前、全てに意味がある。この辺の「全てをコントロールしている感」も先述の視点と重なる部分か。）
核心部分を踏まえるに、「彼ら」にも文化を愛し作り上げる「魂」は備わっていたのだなと
やっぱり人って「元々特別なオンリーワン～♪」なんだね（「これ何の歌？」「クスリの歌よ」）
