アスの作品情報・感想・評価

上映館(58館)

「アス」に投稿された感想・評価

かなり序盤の方から怖かったので映画館で観て良かったと思います。あと子役の身体能力…同監督作『ゲットアウト』より自分は怖かったです。(R15指定なのもなんとなく納得)
人間どう生まれたかよりもどう育つかだなと思わせられました。
八巻綾

八巻綾の感想・評価

3.6
『ゲット・アウト』で大注目を浴びたジョーダン・ピール監督の新作。ルピタ・ニョンゴ主演。

アデレードは、夫とふたりの子どもと共にサンタクルーズの別荘へとやってきた。楽しい休暇となるはずだったが、幼い頃に体験したトラウマが蘇り、アデレードは不安に駆られる。そんな夜、家の外に自分たちとそっくりな4人家族が現れ……。

『ゲット・アウト』はそんなに怖いと思わなかったのでナメてかかったら、痛い目を見た。普通にスリラー色強めのホラーでした。問題は自分たちそっくりのヤツらが何なのかという話になるのだが、まあこれはメタファーなわけで。本作は【怖い思いをしてメタファーを味わう】という内容になっている。

『ゲット・アウト』もそうだったのだが、メタファーだらけなのに全然難しくなくて、なんならある程度答えも説明しちゃうのがジョーダン・ピール監督なのかな。「いや、そこまで言わなくても」というほど暗示的な台詞が出てきたり、最後に種明かしがあったりする。でもって、私はそれがイヤなんだよな。

謎の人物が立っているあたりから、終盤まではかなり好きだった。特に、ルピタ・ニョンゴ大活躍のクライマックスはフォーサイスの「In the middle somewhat elevated」(コンテンポラリーバレエの演目)を観ているようでテンションが上がった。画面の繋ぎ方、空間の使い方、ルピタ・ニョンゴの物言う身体性、すべてが調和して芸術的だった。

でも、そこから最後までの説明部分がなあ。醒めちゃう。そこまでの展開は予測がつかなくてハラハラしたし、「ああいうことかな?こういうことかな?これはアメリカのこういう現状を表しているのかな?」と考えながら楽しんでいたのに、ものすごーくわかりやすい部分ギリギリまで喋っちゃうんだもん。もっと謎を残したままでいいのに!わからなくてもいいのに!

それぞれキャラも立っていたし、スリラー展開も面白かったので、つくづく説明過多な部分だけが残念だった(オチは読める)。

あと、『ハイ・ライズ』で低層階の住民を演じていたエリザベス・モスが、本作では隣人の裕福な白人女性を演じていたのが面白かった。エリザベス・モスは『ザ・スクエア 思いやりの聖域』でも典型的なアメリカ人女性を演じていたし、けっこう抽象的な作品に出がちな印象。おそらく彼女が普通っぽくありながらも、典型的な【白人・ブロンド・アメリカ人】の要素を有しているからなんだろうな。

おもち

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3.9
伏線拾いてえ
SK

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3.7
スリラーというよりホラー色強めだったので結構ビビった。
アメリカ社会への皮肉がたっぷり詰まったホラー風刺映画。

家の前で微動だにせず"私たち"が立っているあの瞬間が一番ゾクゾクした。
観客目線でこれから何が起こるのだろうという期待と恐怖。
あそこまではスリラー感を楽しめた気がする。
その後は案外普通にホラー映画というか。
特に逸脱したオチがあった訳でもなかったが、終わり方は好きだった。
伏線が沢山ある映画好きなんだよな。

ホラーはそんなに観てきてないけど、少なくともオマージュが散りばめられているのは理解できた。
監督はルピタニョンゴに10作もホラー映画を観せたらしい。
演技に見入っちゃった。同一人物が演じてるのにまるで別人。
素晴らしい。
yui

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3.7
初っぱなから不気味さがやばい。
全体を通してもやはり不気味。
緊張感でもう釘付けになる。
ちょいちょいサムイギャグがあって
ある意味バランス良かった。

一人二役、別人にしかみえないくらい
見事な演技でした。
もやし

もやしの感想・評価

4.3
何気にどんでん返し映画かよ! 結構それだと意味合い変わってくると思うんだけど…笑


でも基本的には社会派ゾンビ映画みたいなもんだよね笑 そんなに腰を据えて見るものではないな。



同じ姿形の奴が襲ってくるスリラー。

敵が普通の人間だからさほど強くない…笑 普通に勝てる。
でも敵のキモさというかサイコ感は最高ですね。


頼りがいありそうな旦那さんが意外と脆い…
そして幼少期のトラウマのせいもあって弱々しい主人公が逆に危機的状況になると強い。

サバイバルファミリー的な家族一致団結ものみたいに見える。




何というか、日陰に生きる者と恵まれて元気に生きてる人間の比較、というか、そういうものを描いてましたね。
私もどちらかというと、というか確実に日陰で生きてきた者なので、そういう感じはとても好きだった。

そしてどんでん返しでその単純な比較をぶち破るスタイルね。とても不気味だけどある意味かっこいいな。
色々とメッセージ性変わってくると思います。



思い返すとあのホラー音楽がとても良かったですね。
あの敵の手繋ぎスタイルは、あれ国境の暗喩だよね? ゴリゴリのトランプ批判?笑
「オフィリア、警察を呼んで…」
N.W.A.のファックザポリスがガンガンに流れる。笑った〜、海外のお客さんがアメリカンジョークに超笑ってた。
ドキドキなんだけどニヤニヤしちゃう。アメリカの情勢の予習が必要っぽい!
BLUE

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3.0
日本橋TOHO
根源的ホラー
湯呑

湯呑の感想・評価

4.0
ニューヨークの地下深く、幾重にも張り巡らされた下水道や廃棄された地下鉄のトンネルには、様々な理由から地上に住む事を拒否した人々が生活しており、その数は数千人にも及ぶという―
1990年代、ニューヨークタイムズの女性実習記者、ジェニファー・トスが決死の取材によって明かしたこの事実は、人々に大きな衝撃を与えた。そのルポルタージュは『モグラびと』という題名で日本でも翻訳出版されたので覚えている人もいるだろう。私たちが安寧な生活を営むその足下で、家族や財産を失った(あるいは捨てた)人々が暮らしている。それは、私たちを不安な気持ちにさせずにはおかない。いつか、自分も地下の世界へ堕ちてしまうのではないか。あるいは、地下に住む人々が地上に復讐しにやって来るのではないか―
こうした恐怖は映画の恰好のネタになる。クリストファー・ノーラン『ダークナイトライジング』のヴィランは、まさに地下からやってきた復讐者だった。ロン・ハワード『身代金』の誘拐犯も自身を地下世界の住人になぞらえていた筈だ。有色人種でも共産主義者でも何でもいい、私たちは自分とは違う「何か」をモンスターに仕立てあげ、様々な物語を作り続けてきたのである。もちろん、ハリウッドがそうした物語の最大の供給元であった事は疑うべくもない。
ジョーダン・ピールの前作『ゲット・アウト』は、人々の排外主義的な心性をモンスターとして描いた、逆説的な傑作だった。時流にも乗ってアカデミー脚本賞まで獲得した後の新作が本作である。そのプレッシャーは並大抵のものではなかっただろうが、ジョーダン・ピールは再度ホラー映画のフォーマットを選択した。古典的なドッペルゲンガー譚をモチーフに、侵略SF的な要素を盛り込んでいる。
本作に登場するモンスターは、私たちが心の奥底に抱いている疚しさを体現した存在である。自分が今の暮らしを享受できているのは、誰かを犠牲にしたおかげではないのか。資本主義社会が公平な競争の結果として受け入れている不均衡を、神は許したもうのだろうか?その罪悪感を拭おうと、人は口先だけの「連帯」や「融和」を唱える。自分の生活に影響が無い程度に寄付をし、貧しき者を救おうとする。
本作のエンディング、赤い服を着た人々が手を繋ぎどこまでも続いていくイメージは、人々が否定した共産主義の記憶を喚起させつつ、それでもやはり私たちの似姿なのである。単純明快な『ゲット・アウト』に比べるとテーマはより掘り下げられ複雑になっている。その反面、ジャンル映画的な興奮には欠けるのが残念だ。また、最後のどんでん返しも含め、既視感のあるプロットやイメージがテーマの奥深さを阻害している。
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