とりん

バースデー・ワンダーランドのとりんのレビュー・感想・評価

3.0
2020年43本目

少女アカネは誕生日の前日に自分の誕生日プレゼントを受け取りに叔母チィの骨董品屋を訪れる。
そこに突然現れた錬金術師ヒポクラテスと助手のピポに私たちの世界を救ってくれというお願いを受け、異世界へと旅立つ。

原恵一監督なだけにストーリーを期待していたが、内容はあまり深くはなく、その分かなりわかりやすい感じだった。
良い意味では絵本のように子どもでも楽しめる作品だけれど、悪い意味ではとても大人向けとは言えないくらい中身がなさすぎるし、後先読める展開。
結局何が言いたかったのかがわからない。
調べると原作は児童文学の作品を基にしているらしい。
原作のことはよく知らないけれど、せっかく長編アニメにするならばもっとストーリーにひねりや心情描写を加えても良かったのでは。

絵はとても好きで、ファンタジー作品ならではの吸い込まれるような世界観が広がっているのだけれど、いかんせん設定がどこかで聞いたことあるようななんだかそれらしい感じを並べられたようで、イマイチ入り込めなかった。
ファンタジー作品は自分もその世界に入り込んだようなどっぷりとした没入感的な感じが好きなのだけれど、本作は映像だけは良くて、そこに付随する設定でそれが抜け落ちているように思えた。
子どもに見せるなら良いかなと思えるけど、大人が見るにはかなり物足りない。
アカネが元々抱えていた胸の内もわからないし、学校でのやり取りや行かない理由とかも全然汲み取れない。
だから異世界に行って何が変わったかがよく伝わらない。

そして声優がかなりイマイチ。松岡茉優を始め、杏、麻生久美子、この辺りが演じているというよりかそのまますぎる。
みなさん女優としての演技としては好きだけど、声になるとあまりにもすぎて、最後まで違和感が拭えなかった。

絵が好きなので不思議と嫌いにはなれないけど、子どもと一緒じゃない限りもう観ることもないかな。
とりん

とりん