ずどこんちょ

ONE PIECE STAMPEDEのずどこんちょのレビュー・感想・評価

ONE PIECE STAMPEDE(2019年製作の映画)
3.2
祭り屋が開いた海賊万博は、イコール、ワンピースファンへの大感謝祭でした。
オープニングシーンから、これまでのワンピース作品に出てきた主要キャラや脇役キャラが画面の端々に映り込んでいてボルテージを上げてくれます。
あのキャラも、あの海賊船も、あの偽チョッパーも、名前は咄嗟に思い出せないけど、いたいたそういえば!
歴史のあるご長寿漫画であることを改めて再認識しつつ、長寿人気作品だからこそできた大感謝祭です。

内容はない!
とにかく、人気キャラたちが勢揃いして史上最強の敵、元海賊王クルーのダグラス・バレットと闘うという、ただそれのみです。
バレットと結託した戦争仕掛け人のブエナ・フェスタが、ルフィと最悪の世代、七武海、海軍、革命軍の代表キャラがそれぞれの立場を超えて協力するのを見て小馬鹿にするシーンがありましたが、多分その共闘こそ今回の見どころにしたかった部分。
原作ではまだなし得なかった奇跡の共闘を実現させたのです。よくあるヒーロー物の最終決戦クラスの豪華な闘いです。

ワンピースのように、長い歴史をかけて複雑な伏線を張り巡らせた作品って、こういう映画を作るの大変だと思うんですよ。原作漫画の本線から逸れた脇道を作るにも、緻密に計算された伏線とずれるわけにもいかないし、これまでの歴史を歪めるわけにもいかない。まだ回収していない伏線のネタバレも厳禁。
尾田栄一郎監修と言うのは、むしろ尾田栄一郎を製作に関わらせない限り実現できなかっただけだと思います。
だから、原作を歪曲するような驚愕のストーリーは作れないという強い制限の中で、よくもここまで内容の濃い脇道を作れたなと関心します。

ウソップがボロボロの身体でニヤリと言う「狙撃手は援護こそ花道だ」にはやられました。カッコ良すぎる。今回はルフィに次いでウソップが準主役だ。
ふだん島に入れない病とか言って逃げ腰のウソップがたまに繰り出すこういう名言、ずるいです。