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家族ゲームのriverislandのレビュー・感想・評価

家族ゲーム(1983年製作の映画)
3.3
 ワイングラスを倒しマヨネーズを撒き散らしキャベツの千切りと思しきものを両手に掴み隣の皿へと移動させたかと思うとそれを再び手に取りムシャムシャかじる。祝い事のために用意された綺麗な食卓を片っ端から混沌状態へと陥れ、終いにはテーブルの片端を持ち上げ机上にある全てのものを床へと落とし、平然と立ち去る。
 吉本は、茂之が受験に受かりましためでたしめでたし一家団欒、と見かけ上の平穏へ立ち返ろうとする沼田家の綻びを、一瞬にして眼前の現実として可視化する。沼田家の4人は吉本によって荒らされた惨憺たるリビングダイニングを全員で片付ける。一家の崩壊と再生。滑稽でありながらもあまりに意味深いシーン。

 (鑑賞後に考察を検索して読んだのだがあまりに面白くて開いた口が塞がらなかった………………!父が風呂に入りながら豆乳を飲むシーンなど、やはり違和感を感じる部分にはすべて意味があるのだな…。)
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