甘味

家族ゲームの甘味のレビュー・感想・評価

家族ゲーム(1983年製作の映画)
3.9
相米監督の『お引越し』に出てくる三角形の食卓を見てたら「変な形の食卓と言えばやっぱ家族ゲームよなぁ」と妙に観返したくなり、久々に観賞。
いや~気持ち悪い。何もかもが隅から隅まで徹底して気持ち悪い。(←誉め言葉)

兄と違って勉強が嫌いで全く成績が上がらない弟。
子供の進路に口出しはするくせに、しつけや教育には一切関与しない父親。
子供は可愛いんだけど反抗されると厳しく叱ることも出来ず、結局ほったらかしてる母親。
そんな家族の元へテコ入れすべくやってきた三流大学7回生の家庭教師。

冷静に見ればごく普遍的な家族の有り様を描いているだけなんだけど、音楽を一切流さない(レコード聴いてるシーンですら流れない)等の数々の不自然な演出で、常に不気味で不穏な空気に包まれています。
若かりし宮川一朗太演じる弟は思春期特有の気持ち悪さの塊みたいだし、目玉焼きの黄身を吸い上げる伊丹十三パパとか、ホモっ気漂うドSの松田優作家庭教とか、登場人物が見事全員そこはかとなくおかしい。

不自然な演出の中でも一番象徴的なのが、ジャケにもなってる横長の食卓シーン。誰とも顔を合わせず、最後の晩餐みたく長テーブルに横並びして食べるって言うね。これほんまおもろいわー。画的にも凄いインパクトあるし、作品のテーマがここに全て集約されてる。秀逸。

キモい~めっちゃキモい~勘弁してぇぇ~からのクライマックスのカタルシスはもう最高でしかありません。映画史に残る最後の晩餐シーン。あんなん爆笑するしかないやないか。
そこからまた煙に巻かれて( ゚д゚)ポカーンとなっちゃうラストもニクい。

そういや昔、ダウンタウンのまっちゃんが一番好きな邦画に本作挙げててすんごい納得したなぁ。キャシー塚本とか旅館コントとかを彷彿とさせる、松本イズムと共通するシュールな笑いてんこ盛りの名作です。