ぺんじん

家族ゲームのぺんじんのレビュー・感想・評価

家族ゲーム(1983年製作の映画)
4.5
な、何なんだこれは⁉︎微妙なテンポにシュールな映像。おい親父、目玉焼きの真ん中だけ吸うんじゃない!
舞台は1980年代前半の東京。埋立地付近(晴海埠頭辺り?)の団地に住む家族と中学生の家庭教師の間で何だかなヘンテコな物語が繰り広げられる。
存在感があり過ぎな、家庭教師の松田優作もちょっと怖くて変なんだだけ、家族の面々もどこか変。主人公のお兄ちゃんはまだまともなんだけど、ヒョロヒョロでヘラヘラ笑ってると思ったら、突然ケンカを始めたり、奇妙な行動を取り続ける中学生の主人公も変だし、大事な話は必ず車の中でする父親(えっ、伊丹十三⁉︎)に、どこか抜けてる母親(えっ、由紀さおり⁉︎)もどこか変。
有名な家族横一列の食事シーンに代表されるように、家族がお互いにあまり干渉する事無く、それぞれの役割の最低ラインを果たそうとする。でもやっぱりそれぞれ変だから、ちょっとずつ予定調和からはみ出てしまう!まさに80年代東京の家族「ゲーム」!
一生懸命やってるのか、それともやってないのか。会話は果てして噛み合ってるのか、全然噛み合ってないのか。終わりなきゲームの途中に待ってるのは、空虚さか安心感か。予定調和に収まらなかった歪みが爆発する、後半のあのシーンがやっぱりヘンテコで最高なんだよね!
普段俳優をやらない有名人たちの(えっ、阿木燿子に戸川純⁈)独特な演技もたまらないし、松田優作もやはり最高に奇妙!やっぱり80年代日本を代表する映画だな、これは!あの横並びテーブルで「家族ゲーム」ゲームしたい!金子修介、書店員役で出てるってよ!!
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