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ソヴァージュのnのレビュー・感想・評価

ソヴァージュ(2018年製作の映画)
4.4
レインボー・リール東京2019にて鑑賞。事前にポスターを見て、何かすごく痛々しくて辛そうだな…と怯えながら臨んだ。
実際、主人公の街娼の青年の生活は悲惨だし、性描写は生々しいを通り越してどぎついし、見ているだけで体が痛むような暴力的な場面もいくつもあるのだけど、この不思議と清々しく温かい読後感は何なのだろうか。
将来の見えない日々を過ごしながらもどこか楽観的で牧歌的な佇まいの主人公(私は本編では聞き漏らしてしまったがレオという名前だそう)、彼が恋するボクサー志望の男、客相手に睡眠薬強盗を働く外国人の街娼の男、パトロンになろうとする年配の男など、型にはまらない多面的・重層的な人物描写が素晴らしく、彼らの織りなす予測不能な物語にも引き込まれる。どうにも良さを上手く言語化できないのだけれど、とても豊かな映画だったと思う。

(この映画祭はテーマがテーマだけに合わない作品だと普段以上にダメージを受けるけれど、好みの作品に出会えたときの突き抜けるような解放感と喜びには他のところでは得難いものがある。来年も楽しみにしています。)
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