きょうもテレビのまえ

アイデン&ティティのきょうもテレビのまえのレビュー・感想・評価

アイデン&ティティ(2003年製作の映画)
4.0
歳がバレるのであまり言いたく無いが、通称"イカ天"が流行っていたのは僕が音楽を諦めた、つまり就職した数年後で、しかもその頃は新婚だった。毎日一生懸命生活しながら、週末のその番組を羨ましいと悔しいが混ぜ合わせになった複雑な気持ちで見ていた。だからこの作品で語られる主人公の気持ちは立場こそ違え、全く他人事では無い。

個人的感想を言うなら、映画人としての田口トモロヲも俳優としての峯田和伸もあまり得意では無い。大袈裟だし青臭すぎる。が、この作品を撮ったという一点だけで嫌いになれないでいる。

最近はどちらかというとコメディアンヌとしての印象が強い麻生久美子の、この作品での神秘的ともいえる美しさは、奇跡としか言いようが無い。