傷を負えども必ず帰還する凄腕の米国海兵隊員で、休暇でアマルフィを訪れた所で逆恨みする武装集団に誘拐されて妻を失ったレイ・ギャリソン。次に目覚めた際には記憶を失って政府の機密組織にナノテクノロジーで蘇生された彼が、身に着けた超人的能力と再生能力を駆使して断片的な記憶を頼りに復讐を目指す様を描くヒーロー映画です。
マーベルの元編集長ジム・シューターが設立したヴァリアントコミックの代表的キャラクターを映画化権を取得したコロンビアが映画化した2020年公開の作品で、スター俳優のヴィン・ディーゼルをデヴィッド・S・F・ウィルソン監督が盛り立てるも批評は芳しくなく、興収も公開直後の新型コロナ流行によって予算未満の結果に終わりました。
アメコミらしいシリアスなSFヒーロー誕生譚で、それを生真面目に映画化したために観客が娯楽劇に求める快活さやユーモアに乏しく、仏頂面のディーゼルがじめじめと『ボーン・アイデンティティー』ワナビーな物語を展開します。あらゆる点で二番煎じな印象は最後まで拭えませんが、最新特殊技術で一部のアクションは迫力ある一作です。