はる

宮本から君へのはるのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2019年製作の映画)
4.0
ドラマ版全12話を観てからこの映画版を観ました。一応続編ではありますが、ストーリー的にはドラマ版を観ていなくても問題はありません。ただドラマ版を観ておくと宮本という男がどういう男か嫌というほど分かった上で映画版に臨めるかと思います。
ドラマ版ではとにかく仕事に猛進する宮本でしたが、この映画版ではほとんど仕事にはスポットライトは当たらず、宮本と靖子の物語が軸になっています。ドラマ版で活躍した松ケンやほっしゃん、柄本時生は色を潜め、新たに登場する井浦新、一ノ瀬ワタル、ピエール瀧らが事件の中心となり、宮本を追い詰めて行きます。テーマもドラマ版と比べると圧倒的にヘビーで、前半のレイプ描写は生々しく、中々に胸糞でもあります。
私は宮本の事が嫌いです。身近にいたら確実に関わりを持ちたくない人種だと思います。人の話を聞かず、感情的で、自分の事が全て。今回の映画版でもやっぱり嫌いだなぁと心から思いましたね。ですからひたむきな宮本に心動かされるとかそういう見方ではなく、嫌いで苦手なタイプの人が大声を出して頑張っているなぁという若干冷めたような見方をしてしまっているかもしれません。しかしながら、コレが不思議と面白いんですよね。観ていて相当痛々しいですが、滑稽とかそういう可笑しさではない面白さを感じられます。
そしてこの作品を彩るテーマソング。テレビ版ではエレカシのEasy Go、映画版では宮本浩次ソロのDo you remember?どちらも宮本には欠かせない大きな存在で、これらの曲無しには本作は成り立たなかったのではと思うほどです。
突き抜けるほどのパワーは昨今の日本映画には珍しいほどのエネルギッシュさです。ただ、やっぱり宮本!お前の事は大嫌いだ!
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