パワーのあるいい映画だったけど、とにかくレイプシーンがキツかった。
描写が生々しすぎて、自分の彼女が同じ目にあったらと思うと怖すぎる。見てから数日間は事あるごとにあのシーンを思い出してしんどくなった。本当にトラウマ。ラガーマンとは一生友達になれない気がする。
いい部分だけを思いおこすと、とにかく主演の2人がいい役者でしたよね。池松のあの愚直な感じ、いろんな映画でも見るけどやっぱり大好きです。
ごはんを撒き散らしながら叫ぶシーンや、抱き合い叫びながら股間をひねられるシーン。辛さの中にシュールさがあってそこが面白いんだけど、逆にそういう風に現実逃避しないと直視できないほど現実は辛いんだと思い知ってまたつらくなる。
陣痛のシーンがレイプシーンと対照的に描かれているのがまた良かった。床でのたうちまわり、手を伸ばす。今度はちゃんと池松が駆けつけてくれる。
全体的に体育会系の良い部分と悪い部分を正面からぶつけたような作品だったな。
なるべく波風立てずに生きたいけれど、じゃあ本当に大事な人が大変なときに自分ができることはなんだろうか、と考えさせられた。
相手に喧嘩を売るのが正しいとは思わないが、ちゃんと波風を立ててまで正しい行動をする覚悟があるだろうか。暴力を正当化すると言うよりも、その覚悟を問うているんだと思う。
宮本がすごいのは、ピエール瀧とか周りの人に彼女の被害を伝えた方が絶対に味方は増えるのに、彼女を思いやってか、レイプされたと他人に公言していないところだよな。
あの体格差で武器も使わず、不意打ちもせず、正面から挑むのもすごい。自分なら相手が酔っている時に背後からナタで頭を狙う。
自分ができることは過保護と思われてもとにかく事前防止を徹底する事と、いい弁護士先生とツテを作っておく事だな。