【工場と現地住民】
史実をもとにした映画だそうです。
戦前の茨城県は日立鉱山に作られた金属精錬のための工場。
ところが当時のことで煙害がひどい。
亜硫酸ガスをそのまま放出していたからです。
その結果、地元住民の畑地や山林に大きな被害が。
そこで先祖から地元の大地主である家柄の青年が立ち上がる。
しかし工場側にも、必ずしも利益優先の人間ばかりではなく、何とか事態を改善して地元民と協調してやっていきたいと考える人々はいた。
そこで・・・と話は続きます。
戦前の鉱山がらみの公害といえば足尾銅山のそれが有名。
公害は戦後になっても有名な水俣病などいくつも起こっています。
この映画は、しかし工場と住民が必ずしも対立関係になるのではなく、協力して問題を解決しようと努力するという点で、ひと味違った作品になっています。
これはこれで一品でしょう。
工場には公害などのマイナス面もありますが、他方で地元経済を活性化し、住民の雇用も拡大されるなどの利点もあるからです。
でも東日本大震災の原発事故など、一線を超えた害悪も生まれる。
進出企業のプラスとマイナスをしっかりと見極めることが大事ですね。