ジゴクジジイ

劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzerのジゴクジジイのレビュー・感想・評価

3.0
昨年冬の平成ジェネレーションFOREVERがアニバーサリー作品だからこそ表現できる、最高にエモい、作品の歴史とファンが持つ自分自身の歴史を肯定する卒業式的な映画だったのに対して、この映画は「これもまた平成ライダーだよね!」と開き直った様な映画だった様に思う。

見終わった後のあの何とも言えない整理がつかない感じ。
そうそう、春映画ってこんな感じだったよな。という懐かしい思い出。

でもこの騒々しさこそが不揃いな平成ライダーというものだったのかもしれない、
そんなことをおもってしまう。

ロボコンの後をうけてニチアサに仮面ライダーを復活させたクウガから始まり、来年は仮面ライダーをやらないのかもしれない。。。という緊張感と共にシリーズ黎明期を支えたアギト、龍騎、ファイズ。
アラサー世代は否が応でも自分の人生と重ね合わせて考えてしまう。なので平成ライダーの歴史は自分史でもある。そんな手探りだったあの時から20年弱でここまでエンタメの王様になるのだから、感慨もひとしお。
この映画を見て今や押しも押されもしない一大キャラクタービジネスコンテンツに成り上がったのだなぁと遠い目をしてしまった。

既に昭和シリーズよりもライダーとしての歴史は長くなっており、ただの特撮テレビ番組という域を超えて文化形成のフェーズになっていると言っても過言ではない。

そんな平成を代表するブランドとなった平成仮面ライダーシリーズの集大成として、正面から真っ向に描かない外し方もまた平成ライダーっぽいよね?……
……ぽいか?
とか思ってるところに
「レッツパーティエンジョイしなきゃもったいない」とか言われて俺は無事死亡した。