いがらっしー

おかあさんの被爆ピアノのいがらっしーのレビュー・感想・評価

おかあさんの被爆ピアノ(2020年製作の映画)
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映画鑑賞前に出演者や監督方のリモート登壇があり、監督の「この映画はいろいろな感想を持っていただいて良いんです…」という様な言葉を先に聞かされたのだが、その押し付けがましくない慈愛に満ちた感覚が、この映画から受けた印象だった。
『戦争のこと、原爆のこと、お祖母ちゃんのこと…何も知らない。』主人公・菜々子は言う。
聞かされなければ、知らないだろう。
聞かせたくなかった母親の気持ちも痛いほどよく分かった。

私自身、原爆の話を聞くたびに思い出すのは、中学の修学旅行にも、高校の修学旅行にも行った広島の平和記念資料館。その為に事前勉強をし、原爆詩集を読んで、学年中の皆で学習もした。
また、自宅では、一度も会った事はない戦死した伯父の話や疎開させられていた母の話も聞いた。そしてお祖母ちゃん子だった私は、子どもの頃から戦争体験を幾度となく聞かされてきた。祖母の言葉が私にも聞こえた。
『B29が家の上空で旋回した時のあの恐ろしさ!』
『…あんな怖い体験はしたことない!
あんなことだけは二度とごめんだ!』
『戦争だけは絶対にしてほしくない‼️』

私は実際に体験はしていない。
しかし体験した人達の言葉を未来に語り続けて行くことは私にも出来るかもしれないとこの作品を観て思った。
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