先日2024年8月18日に亡くなったアラン・ドロンの葬儀は本日24日午後5時(日本時間25日午前0時)。享年88歳、あらためて合掌。
私はドロンの映画は昔TVで観た作品が多く、実は後にも先にも公開時に劇場で観たドロン主演作品は唯一本作だけ。
当時、私は中学生になったばかりで、初めて一人で洋画を観に行き、たしか字幕作品を観るのも初めてだったような記憶が・・・。
北九州の映画館で、たしかチャップリンの『キッド』が併映でした。
原題は“Zorro”で、もちろんあの“怪傑ゾロ” のこと。
しかし、邦題の頭に俳優名なんて、フツーは有名俳優の無名時代の作品につける印象ですが、全盛期の劇場新作につくとは、当時の知名度を物語っているのか・・・
ただの怪傑ゾロじゃなくて“アラン・ドロンのゾロだぞ”と強調したい気持ちもわかります。
で、映画はというと、ファミリー・マカロニ・チャンバラ活劇とでも言いましょうか。
マカロニ・ウェスタン後期のコミカル路線に近い印象。
ストーリーの記憶はほぼナシですが、この陽気なアクションはドロンよりもむしろベルモンド向きかも。ドロン主演作としてはかなり異色(『黒いチュ-リップ』は似ていますが)。
オモテの顔はアホなスペイン総督、ウラの顔は農民の味方で義賊の「ゾロ」をドロン(当時39歳)が楽しそうに演じ分けており、TVの吹替ならアホな総督の方は野沢那智が「悟空の大冒険」の三蔵法師みたいな声をアテているんだろうなと想像しながら観ました。
監督はマカロニ・ウェスタンではジェンマと何度も組んでおり、コミカルなタッチの作品も多いドウッチョ・テッサリ。
音楽はグイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス兄弟(別名オリバー・オニオンズ)。
“ララララ~ラ♪ララ♪ゾロ・イズ・バック♪”(EPレコード持ってました)
本作はドロンの主演50本目の記念作品。イタリア・フランスの合作。
10年前に主演したやはり西洋チャンバラの『黒いチューリップ』が気に入っていたのと、息子から活劇ヒーローのオファーがあったから本作に決めたんだとか。
最後に死なないドロンも珍しい。
でもこの作品、ストーリーはスカスカですから、尺を30分くらい削ったくらいが丁度いいくらいかも。