よう

たちあがる女のようのレビュー・感想・評価

たちあがる女(2018年製作の映画)
4.0
これはSDGs映画と言えるかもしれない。
主人公が環境活動家。ただし、過激派。
ちなみに、タイトルのロゴ、「女」が弓矢を引く形になってるのはナイス。

冒頭、アイスランドの雄大な自然の中で弓矢による送電線破壊。からの「演奏者もそこにいるんかい」の流れに妙につかまれた。

劇伴として流れる音楽全て、その場面のその場にいる3人の音楽隊、または3人の声楽隊によるもの。音そのものは別録だとは思うけど。
この演出はシュール。
ただ、その見せ方に毎回工夫がある。「え、屋根の上?」「え、こっち見てんの?」って時もあれば、何かあると演奏を一旦止める時も。
「次はどんな手で来るんだ」と途中から楽しみにしてた自分がいた。
後半、主人公が一旦ある事を諦めるくだりの演出を見ると、物語や主人公の心情と絡むものとも捉えられるかな。

主人公はふだんはコーラス隊の指導をしていて普通の中年女性な感じではあるものの、いざ工作活動をすると、立ち姿や物陰に隠れる姿が堂に入っていて少しかっこよさもある。
親しみやすいおばちゃん感もスパイ感も違和感なく自然に体現してる。

主人公の部屋、ネルソン・マンデラの写真を飾ってるなあと思ってると、後半、それが活かされる。
あそこ、飛行中のドローンをああやったのは映画で初めて見た。
あと、部屋のテレビで洪水被害ニュースが流れるのもしっかり回収している。

ウクライナの女の子を養子にするって件で、なんでウクライナ? と思ったのだけど、環境とエネルギーという意味で世界的大規模な事故があったからなのかなあ。

自転車旅行者や双子設定が話運び上ちょっと都合よくは感じるのだけど、正直その展開に可笑しさと爽快感もあったのも事実。
あの旅行者、二度とアイスランド来ねえかもな笑。

当然、真っ当な活動ではないので、通じてる官僚から「もう止めろ」って散々言われてるし、ちゃんと()捕まってる。だから、しっかり映画としての節度は保ってると思うけどね。

あまりないタイプの映画で、面白かった。
よう

よう