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アイスマン 宇宙最速の戦士のblacknessfallのレビュー・感想・評価

3.1
今、マ・ドンソクの次に好きな俳優ドニー・イェンの映画。

SFってことでドニーさんのモサッとした風貌に合わないんじゃないかと危惧したけど杞憂だった。

タイムリープものなんだけど未来は出てこない。舞台のほとんどが明朝時代の中国なんだよ。
逆に時代ものはドニーさんのモサッとして素朴な風貌にマッチする笑

ドニーさんは明の時代の武将、唐突に仙人のおじいさんに時空を行き来できる力を授かる。
その力を得て世界を統べようとする同僚の武将に陥れられ地位を剥奪され、一族も皆殺しにされてしまう。
この敵役の武将はサイモン・ヤム!
系統の違う香港映画スターの共演に期待は高まったよ。

時空を越えられるので現代に蘇るドニーさん。
そこには同じく時空を越えたサイモン・ヤムが!
サイモン・ヤムの野望の阻止と一族皆殺しの運命を変えるため、時空を股にかけたドニーさんの戦いが始まる。

本当にこれだけのシンプルな話なんだけど、オープニングから時間とは何か?運命とは?みたいは大仰なナレーションが流れて大河的なファンタジーをアピってくるんだけど、これがけっこうダサい。
CGの感触とか音楽の使い方が角川映画っぽいんだよね、最近の映画とは思えない感じで笑

タイムリープものなんで舞台がコロコロ変わる。
最初の40分で明代→現代→近現代→明代とかなり目まぐるしい。

でも、目まぐるしさと裏腹に話がなかなか進まない笑
それにタイプリープものの定番、時代が変わったことに戸惑う的なシーンもなく、ドニーさんもヤムもサクっと現代に適応したとこから話が進む。
ヤムなんで警察幹部にまでなってるし、ドニーさんは現代人の恋人をゲットしてるし笑
しかも、この恋人、ドニーさんの時空越えて来ましたって事情をすんなり受入れ、以後一緒に時空越えて行動する。
みんな、適応力ありすぎだろ笑
いくらでもおもしろくできるとこをメインストーリーと関係ないとは言え排除しずきだよ、、"ターミネーター"のリンダ・ハミルトンみたいに少しは疑ったり戸惑ったりしろよな、と笑

そして再び明代になってドニーさんとヤムの最終決戦になっていくんだけど、それまで早すぎだろってぐらいサクサク進んでたのに、ここから妙に冗長になる。

ドニーさんと恋人とのラブシーンやら、ドニーさんと家族との再会(皆殺し前の時間に戻ってる)、ドニーさんと仲間との再会、そして現代人の恋人とドニーさんの親族の交流が平板な演出でけっこうな時間流れる。
この辺もタイプリープ・ギャグみたいのやってくれれば楽しいんだけど、現代に行った時同様、そーゆーサービスは殆どない笑

一方同じ頃、ヤムは何をしているかと言うとドニーさんを倒し時空移動を自分だけのものにし、明王朝打倒のクーデターを起すために、なんと日本の北条家と手を組む!
クーデター成功の暁に徳川幕府を倒し北条を日本の名主にすることを条件に笑
この北条家の将軍役を倉田保昭さんが演じてる。何気にキャストが豪華なんだよな。

ここでちょっとおもしろいのが、日本人と手を組むことでヤムは味方からも非難される。「倭寇なんかの力を借るなんてあり得ねえ!」みたいなことを部下に言われる。
昔のカンフー映画でも、必然性もなく悪役が日本の空手家を助っ人に呼んで、同じように非難されるシーンけっこうあるんだけど、あれとまったく同じだった笑
悪役の悪役性を強調するために日本は欠かせないスパイスなんだね笑

そしてドニーもヤムもモチャモチャ時間かけてよーやく最終決戦になる。
それなりに盛り上がるけど、モチャモチャで集中力を使い果たししまってたから、「やっと終った」って感慨しかなかったね笑

この前の孫悟空やったやつもだけど、ドニーさん、ちょっとダサい映画に出すぎだよ笑
押しも押されぬスターなんだから仕事選んで😂
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