リコリス

無垢なる証人のリコリスのレビュー・感想・評価

無垢なる証人(2019年製作の映画)
4.7
ホントいい映画を見た〜。雪が空から降ってきて、白く辺りを覆うような(あざとさのカケラもない)清々さしさ。

弁護士になりたいのは人を助けてくれるいい人だから。あなたはいい人ですか? 足が不自由な人にどう接するか? 一緒に歩く。

自閉症の人の世界に入るのは難しい。

中年になって正義の味方から、いいことより世の中の垢にまみれた道を行こうとしたが、いい人は汚い道を歩めない。「昨日、何食べた?」シロさんみたいな佇まい。少し認知度が下がってるスノのお父さんがスノの良心そのもので良い味だしてる。結局、息子が幸せなら良いんだな。

毒性添加物ナプキン裁判も正義が勝つわけでも無い。真実を探る法廷ものというより共生社会に欠けているものについての告発。裁判とはいえ、ジウが必死で写真から学んでいる感情理解力を法廷で全否定する残酷さ。欠けているところばかり見ているワタシたち。映画のおかげで自閉症について少し理解が進んだ(ら嬉しい)。

世の中は悪意と欺瞞に満ちみちているが、ジウが笑って暮らせる毎日が来るといいね。「自分を恥じている。偏見でした。」でも、支援学校では練習して健常者のふりをしなくて良いからって(泣)よい人になれるように努力して、青いグミとして5時のジウからの電話を待とう。
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