くう

ロード・オブ・カオスのくうのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)
3.6
全く事前情報はなく、ホラーだと思い込んで観に行ったら、メイヘムの歴史だった。現実はホラーよりも怖い。

よく「罰が当たるなんて嘘だから自由に生きなさい」みたいな説教ツイートを見るけれど、バチは当たるよね、早くこいつらに罰当たれと思いながら見ていた。

こんな悪事の数々があんなことになるまで発覚しないとは、どうかしている警察の緩さ。

なのにラストには切なくなっちゃう。どうしてなの……こんなやつなのに。

18才までは親が一緒でも見てはならないけれど18才以上でも覚悟して見て。動物好きな方は閲覧禁止。

上映時間は長いが、飽きることは無く、ずっと気持ち悪い。凄いわ。

他のユーザーの感想・評価

 親友が自ら命を絶ってしまって僕は悲しいと、あの時素直に認めることができていたら、こんなバッドエンドの果てまで来ることなかったかもだったのにね。
 行き過ぎた中二病とこじれた自己顕示欲でただただ馬鹿やってただけの若者が我を見失い失墜していくお話。
 リスカに始まりまあまあガッツリ死んだり殺したりのシーンが撮られてるので、血だのスプラッタだのが無理な人には厳しいかもです。かくいう私も数カ所薄目でやり過ごしました(笑)。
 しかし映像のセンスはかなりすきな部類だし、引きで撮られた街や景色は印象的で美しかった。そしてなにより、悪魔にのめり込むロリー・カルキン、とても美しかったな。デッドと最後の彼女(スカイ・フェレイラ!)が可哀想だったけれど。

 なんだかんだみんないいとこの子で、すぐ親に金出してもらいがちなダサさはちょっと笑えたけど、『ヘヴィ・トリップ』のが元気はでます(笑)。
KNSKS

KNSKSの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

イカれすぎてて最高!熱量も良い!
ほとんどが実話なん、ヤバい(笑)
バカばっかりの青春(笑)

ロリーカルキンはハマり役やったし、スカイフェレイラなどキャスティングが良かったし、皆演技も良かった。
演出もいいし、映像もかっこよかった。
何より特殊メイク良かった!

この製作陣、メタルはダサいから良い!っていう絶妙な塩梅がよく解ってるわ。
KAZU

KAZUの感想・評価

3.9
Indie Rockが好きなひとからしたら、ブラックメタルなんか蔑む対象だし、悪魔崇拝だの国家主義のナチズムだの音楽に持ち込むなんて、もう頭がおかしい。しかし、それでもメイヘム事件は音楽ファンでは知られているし、作品としても高スコアなので滑り込み鑑賞🎸

これは、前評判どおりエグい!
こいつらマジキチだけど特にヤバいのが序盤のデッド。コイツはロック史に刻まれる幾多のマジキチを余裕で凌駕するヤバさ。ライブ中に身体を切り刻み、カラスの死臭を嗅ぐ習慣だったりと。登場時間は少なかったけど、一番インパクト残したね。彼が去った後は物語どうなっていくのかなって思った。エグい内容ながら実はテンポも良く、画も重くなりすぎないPOPさもある(まさかのあれブレインデッド)、バンドの確執や妬みや嫉妬など人間ドラマもしっかりしてる。カオスに向かう終盤はサイコホラーの様相だし、北欧繋がり?なのか謎にシガーロスが流れるのは、少しメジャーに忖度してるのかは分かりませんが、久々にインパクトのある作品でした✞✟✞✟✞✟
チョコ

チョコの感想・評価

4.2
痛くてグロい青春映画!
メタルは全然聞かないけど、面白かった!
グロいのが苦手な人には、ダメかも
日央

日央の感想・評価

4.4

このレビューはネタバレを含みます

デスメタルやベビーメタルは大好きなんだけど、ブラックメタルは苦手なんですよね。

嗚咽を通り越して嘔吐といっていいくらいのような、あのグワワッーって歌唱方法が苦手で。

ただ、演奏は好きです。高速で格好良いし。


5年くらい前に、メイヘムは友達に教わり何枚か聞いた事がありました。

なんせ、ライブCDのジャケットがメンバーの自殺写真って事もあり衝撃過ぎて、目を覆いましたし、その楽曲を聞いたら呪われるんじゃないかと思ったくらいです。


聞いてみて、やっぱりこりゃ聞けたもんじゃなかったのですが、彼らの歴史を知りたくて色々調べたものです。

脳味噌が吹き飛んだそのCDジャケットも戦慄でしたが、彼らは悪魔崇拝者で教会を放火したり、殺人を起こしたり、終いにはバンド創立者のユーロニモスがヴァルグというメンバーに殺害されちゃうって、ヤバ過ぎです。

ラッパーのギャング抗争の方がまだ可愛いかもしれません。

でも、ユーロニモスは真の悪魔崇拝者じゃなく、一番ヤバいのはヴァルグであり、彼はナチス崇拝者でもあったんですよね。

こいつが現れなかったら、また違ったバンドになってたのかもしれませんが、皮肉にもユーロニモスの死後バンドは成功しカリスマバンドに。


色々調べて知ってただけに、この映画化は楽しみでした。


とにかく残酷な表現が多いので、苦手な方は絶対オススメしません。


殺害、自殺、神への冒涜。


ヤバ過ぎます。


どんな世界にも居ますよね。異質な人間。


会社経営者の傍にもいて、そいつが現れて実権を握り、思わぬ方向に転がっていくみたいな。


友人間でもありますし。


この映画は、そのパターンの最上級の悪いパターンです。


映画の出来としては最高でしたけどね。


でも、メイヘム聞いて寝ようとは思いません。



◼️物語、構成 3/5
◼️演者、演技 3/5
◼️演出    4/5
◼️衣装、メイク5/5
◼️音楽    5/5
◼️美術    3/5
◼️満足度   3/5
◼️万人受け  1/5
◼️病みつき度 2/5
◼️涙     1/5
◼️恐怖    3/5
◼️安らぎ   2/5
◼️笑い    1/5
◼️アクション 1/5
◼️謎解き   1/5
◼️エッチ度 2/5
◼️グロ描写 5/5
◼️胸糞 4/5
◼️歴史的背景 1/5
◼️元気貰える 1/5
◼️睡魔 1/5
亀吉

亀吉の感想・評価

2.9
諸外国で言うカオスと日本語訳での混沌ではその意味に大きな隔たりがあるのだと思い知らされた。自分の今まで考えていた混沌はカオスにはなり得ない辺鄙で貧相なものだったと思うと騙されてたようで立腹を抑えられず上映終了した館内で叫び出しそうだった。

話を戻そう。

本家であるメイヘムの悪行の数々とそれに対する葛藤が登場人物の細かな表情、背景、音楽で伝わってきた点がとてもよかった。何もりも中世的な主人公が美しい。

残念だったのは場面展開が単調で目新しいことがない。もっと違う場所での彼らが観たかった。人気になる過程や、仲良くなる過程など。それらがないと青春とは言えない。観ている人々が感情移入する前に映画は重大な局面を迎えてしまった。もったいない!

あとポップな主人公目線の解説がどうしても気に入らない。フェイクとリアルの間で揺れているとしても、そこは絞らないと。
暗いのか明るいのか、苦しんでいたのか楽しんでいたのかさえ曖昧になってしまう。
ブラックメタルの"音楽"の特異性、芸術性があまりにも蔑ろにされていて、個人的に「こんなのあんまりだ」という印象です。

本作では「インナーサークルで何が起きたか?」というスキャンダラスな一面にのみ終始します。残念なことに、ブラックメタルの"音楽"の素晴らしさ、その芸術性について1mmも伝わってきませんし、そもそも伝える気がないようです。

要するに、本作はブラックメタルの映画ではありません。
あのバソリーの元ドラマーが手掛けた作品ということもあり、ブラックメタルの魅力をいかにマス向けに仕立て上げてくれるのか、大いに期待して鑑賞に臨みましたが、見事に外れました。
期待外れどころか、いちブラックメタルファンとして「個を蔑ろにし、スキャンダラスな部分ばかりフォーカスするマスメディアに対する憤り」に似たものをこの映画に対して感じています(そしてそれこそが、ブラックメタルを愛する人々が最も唾棄するものでは?本当に何も分かっていないんだな、と思った)。

「主旨が違う」と言われればそれまでですが、ならこんな映画公開してほしくなかったというのが正直な感想です。
同時期のノルウェーには、インナーサークルに所属ないし関連しながらも、犯罪行為に手を染めることなく、ひたすら自身の音楽を追求した素晴らしいブラックメタルバンドがたくさん存在します。ですが作中、それらのバンドは一切登場しないどころか、名前すら挙がりません。インナーサークルの"悪事"にフォーカスした作品とはいえ、いくらなんでも不自然です。まあ、名前の使用許可が降りなかった可能性もありますが…。

残念と言えば、アッティラ・シハーです。デッドの後任ボーカルとしてDe Mysteriis Dom Sathanasから現在に至るまで(途中脱退あり)のMayhemに参加しているのですが…作中の扱いといえば、「気付いたらなんかそこにいて、特に紹介もなく、一曲歌って出番終了」という有り様です。
当代随一といえる、かのボーカリストに対しこの扱いはあんまりです。本当に本当に残念でした。まあ、こちらも許可が降りなかった可能性もありますが…であれば、許可しても良いと思える作品にすべきです。でなければこんなもの公開しないで欲しいし、ヴァーグ本人が本作に対し軽蔑の意を示したのも納得です。

何より本当に残念なのは、これを観て「ブラックメタルって格好いいんだな!聴いてみよう!」と思う方が、果たしてどれだけいるのだろうかと…
確かに一部の起こした犯罪行為は許されるものではありませんが、それはブラックメタルのほんの一面に過ぎません。それに対して本作は、まるで「これがブラックメタルの全てである」かのように誤解を与える出来栄えです(あたかもMayhemとBurzum以外のバンドが存在しないかのように描写されているため)。いまいち必然性が見出せない滅多刺しのシーンにあれだけ尺をとるくらいなら、他に映すべきことがあるのでは?その点について心から軽蔑の意を表します。

なお、ブラックメタルインナーサークルの狂気、すなわちヴァーグの狂気を理解するにあたり、「オダリズム」への理解は必要不可欠です。

オダリズムとは、「キリスト教到来以前のペイガニズム(多神教)を含む本来のヨーロッパ人の価値観を取り戻せ」と主張する思想を指します。

ヴァーグは、サタニズムと反キリスト教を混同されることを非常に嫌っていました。
というのも、悪魔とはキリスト教の被造物であり、かつてのゲルマン/ノルマン民族が信奉していた北欧神話の神々は、キリスト教徒から悪魔と見なされたとしても、被造物としての悪魔とは根本的に無関係だからです。
「神話の神々やエルフたちと共に暮らしていた民族の世界を悪魔呼ばわりして侵略し、人々を虐げたのはキリスト教徒の方だ。(≒ならば我々は"悪魔“で構わない)」とするのがヴァーグの思想です。

つまりヴァーグにとって、教会放火は単なる仲間内の権威争いに留まらない「戦争」であったと考えられます。事実、収監前のインタビューにて、教会放火についてヴァーグは「サタニズムではなく民族主義に基づくものである」ことを示唆しています(同時にサタニストであったことは一度もないと述べています)。

ここまで長くなりましたが、本作はインナーサークルメンバー、特にヴァーグが狂気に至るまでの背景を「意図的に」稚拙にした節があり、ヴァーグの抱える闇を1mmも描けていません。
ユーロニモスはさておき(彼の悪魔崇拝はある種の宣伝材料に過ぎず、インナーサークルにオダリズムの思想を組み込むことを忌避していたとする見解・証言が多々ある)、あれではヴァーグは単なるキョロ充を拗らせた痛いやつです。
彼らの起こした犯罪行為を美化する意図はありません。ただ、なぜヴァーグはそのような思想を抱くに至ったのか?その点がいかに表現されるかを期待していたため、肩透かしでした。

繰り返しますが、犯罪行為を美化・賛美するつもりは毛頭ありません。また、本作が実話をベースに事実と虚構を織り交ぜた映画であることも存じています。
ただ、ブラックメタルはこんな薄っぺらな痛みと安っぽい狂気で覆われた映画で理解できるほど浅いものではありません。どうか誤解のなきよう。
蚤

蚤の感想・評価

4.2
何の予備知識もなしに鑑賞して衝撃。
鑑賞後、実話ベースであることを知って驚愕。
実際の事件の概要を知るにつれ愕然。
実物との比較画像を見て茫然、からの笑い。
鑑賞後に飲んだ黒霧島で泥酔。

なんか凄いモノ観させていただいたw

みんなで仲良くプロレスやってたら、ケッフェイとかギミックとか理解できずに、セメント仕掛けてきた田舎モンの話しです。
いや、ちょっと違うか、、、

ま、とにかく観るべし!


BraindeadとEvil Dead、、、、
自分にとって青春の二本じゃw
ノルウェーのバンド「メイヘム」の狂乱の青春を描いた話。

・ハッタリをかます者。
・拗らせる者。
・病んでしまう者。

少なからず誰もが経験する、青年期に於ける特殊な心境を表現しているものと解釈。

暴力描写など、一部やり過ぎな印象も。

このレビューはネタバレを含みます

先ず描写が痛い。


ただただ痛い


時折昔のホラー映画のグロ描写を挟んでいたのは現実の「痛み」への警告、誘いだったのではないかとも思える。


観ていたのはバンドドキュメント?元にしたホラー映画だったのか?と思うような演出も挟まれており、
ユーロニモスは悪魔崇拝者だったのか、ロックスターだったのか、カオスを演出するのみのピエロだったのか、それとも最後は普通の「人間としての幸せ」を求めてたのか。


観て行く内にホントに焦点を当てるべきはクリスチャンから変貌していくヴァーグ
はたまた感化されて犯罪を犯してしまったファウストだったんじゃないかとも思えるような描き方だった。
(元々本人にそういった素質や衝動があったとしても)


フィクションも交えての描き方故に
自分も一表現者の端くれとしては
(実際にはきっと、本人はもっと)ユーロニモスは思想に偏ってドライ、かつ聡明なビジネスマンの素質も持ち得た人間だったのではないかと考えながら鑑賞していた。


史実としてはアメリカのQueenが描かれたボヘミアン・ラプソディの数年後くらいの時系列に位置する作品なので当時のお国柄によってのフラストレーションだったり、特に国外メタルに置いての自分たちとの軋轢などもある程度分かった上での鑑賞が楽しいのではないかと。


最後に
主演のロリー・カルキンがどうしてもマコーレマコーレ・カルキンカルキンにしか見えず仕方がない2時間でした。
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それにし
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