亀吉

ロード・オブ・カオスの亀吉のレビュー・感想・評価

ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)
2.9
諸外国で言うカオスと日本語訳での混沌ではその意味に大きな隔たりがあるのだと思い知らされた。自分の今まで考えていた混沌はカオスにはなり得ない辺鄙で貧相なものだったと思うと騙されてたようで立腹を抑えられず上映終了した館内で叫び出しそうだった。

話を戻そう。

本家であるメイヘムの悪行の数々とそれに対する葛藤が登場人物の細かな表情、背景、音楽で伝わってきた点がとてもよかった。何もりも中世的な主人公が美しい。

残念だったのは場面展開が単調で目新しいことがない。もっと違う場所での彼らが観たかった。人気になる過程や、仲良くなる過程など。それらがないと青春とは言えない。観ている人々が感情移入する前に映画は重大な局面を迎えてしまった。もったいない!

あとポップな主人公目線の解説がどうしても気に入らない。フェイクとリアルの間で揺れているとしても、そこは絞らないと。
暗いのか明るいのか、苦しんでいたのか楽しんでいたのかさえ曖昧になってしまう。
亀吉

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