TaiRa

ロード・オブ・カオスのTaiRaのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)
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メイヘムに関する知識がデッドの死体ジャケと殺人事件くらいしかなかったので物語自体も楽しめた。

『SPUN スパン』の頃のヨナス・アカーランドが帰って来た感じで嬉しい。青春映画として良く出来ていて、観た後も何だか胸が苦しくなった。前半部のデッドが亡くなるまでが色んな意味で辛い。内容的に切ないのも相まってか、デッドの自傷行為から自死までがめちゃくちゃショッキングに感じて、映画の人体破壊描写で初めて無理かもと思った。そもそも切創が苦手なのもあるけどちょっと正視出来なかった。単純に当日の体調の問題だったのか、ちょっと目眩もした。ヴァーグのパートになってからはバイオレンス要素も引いてブラックコメディとして観れたのでちょっと安心した。登場人物が全員バカなので悲惨な状況が続いても不謹慎な笑いが生まれる。ユーロニモスの心象とかは創作もあるんだろうけど、彼の中でデッドの不在を大きく描いたのが青春映画として上手くまとまった要因かと。ヴァーグはじめメンバーたちのエスカレートする暴走と、一方で恋人と安らぎを得たユーロニモスの対比が良い。ユーロニモスが恋人と家でくつろいでる時だけ眼鏡かけてるのとかも何か良かった。殺害方法が同じ殺人事件の再現が2箇所あるのはバランス悪い気がした。公園の方を省略で描くくらいがちょうど良かったのでは。
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