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ネバーランドにさよならをのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ネバーランドにさよならを(2019年製作の映画)
4.0
1993年、当時13歳のジョーダン・チャンドラーがジャクソンから性的虐待を受けたとして、その家族がジャクソンに対する民事訴訟を起こした。ジャクソンは疑いを否定し、約1500万ドルの和解金を原告側に支払うことで示談が成立 。 また、チャンドラーの訴訟が継続するなか、7歳から10歳の間にジャクソンに性的虐待を受けたとするジェイソン・フランシアが同じく民事訴訟を起こし、ジャクソンはこれを200万ドルの和解金を支払うことで示談とした。
いずれの示談書において秘密保持契約が結ばれたが、原告は引き続き刑事裁判で供述する権利を有していた。しかし、彼らが警察による捜査に協力することはなく、警察側による独自の捜査でも十分な証拠が見つからなかったため、ジャクソンが起訴されることはなかった。2003年に放送されたドキュメンタリー番組『マイケル・ジャクソンの真実』によって再び疑惑が浮上した。2005年、ジャクソンは児童性的虐待の疑いで刑事告訴された。番組ではジャクソンと子供たちとの不適切な関係がセンセーショナルに取り上げられたが、のちの裁判で番組制作側の不適切な編集が明らかになった。ジャクソンには10件の容疑全てにおいて無罪判決が下った。2013年、振付師のウェイド・ロブソンは7歳のときから7年間にわたりジャクソンから性的虐待を受けたとして、マイケル・ジャクソン遺産管理財団に対して2つの民事訴訟を起こす。ロブソンのテレビ出演しインタビューを受けているのを観たジェイムズ・セーフチャックは、自身も10歳から4年間の間に性的虐待を受けたとして、2014年に同様の民事訴訟を起こした。両者はいずれも1993年の捜査でジャクソンを擁護しており、ロブソンにおいては2005年の裁判時に被告側の第一証人としてジャクソンとの不適切な関係を明確に否定していた。2015年、ジャクソンの遺産に対するロブソンの訴訟は、遅すぎる訴訟で却下された。また、 2017年には、生前ジャクソンが所有していた企業は、ジャクソンが主張した過去の訴訟について説明責任を負うことができないとの判決が下されているが、一部の訴訟は上告手続き中である 。
本作は、ロブソンおよびセーフチャックと個々の家族の証言によって構成されている。ジャクソンと家族が知り合った経緯や、ジャクソンの存在が家族関係に及ぼした影響、ジャクソンと自慰行為やオーラルセックス等の性的行為に及ぶ様子が本人たちにより詳細に描写される。こうした性的虐待はジャクソンの邸宅ネバーランドや彼の別荘で行われたとされている。監督のダン・リードは、この映画は『信頼できる友人のふりをした小児性愛者によって20年にわたり精神支配されてきた二組の一般的な家族を通して語られる、児童性的虐待における心理状態の典型』であると述べている。
サンダンス映画祭で上映後、全米で物議を醸したドキュメンタリー映画。
ウェイド・ロブソンが、マイケル・ジャクソンから受けた性的虐待は、社会的立場や名声のあるセレブが立場の差などを利用して欲望を充たす典型的なパターンに沿ったもの。
ダンスが上手い子供のダンスを褒め、自身のバックダンサーとしてツアーに同行し、何百万ドルの小遣いと報酬を相手と親に与え、欲しいおもちゃを買い与え、「君が本当に好きだし愛している。だからこういうことをするんだよ」と相手に繰り返し吹き込みながら性的虐待をして、自らの保身のため「こんなことがバレたら永遠に引き離されるから内緒にしてくれ」と口止めする。相手の自分に対する信頼と尊敬、相手に認めて欲しい気持ちを利用して自分の欲望を充たす典型的なやり口。
たしかに被害者ウェイド・ロブソンの主張のみを軸にしているし、マイケル・ジャクソンは故人なので性的虐待の真偽は検証出来ないけど、かなり事実関係は筋道立っているし、マイケル・ジャクソンの闇の部分を知りたい人には一見の価値ありのドキュメンタリー映画。
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