これは韓国で大ヒットしたってのも凄く分かる。
ファン・ジョンミン主演の「ベテラン」をもう少し崩した感じの、何も考えずに楽しめる刑事コメディアクションの良作。
なかなか出世に恵まれない班長率いる計5名の麻薬取締班。先に出世した同期の計らいで、大規模な麻薬組織のアジトの目の前に建つ、韓国のジャンクフードを語るには欠かせない「チキン（唐揚げ？フライ？」屋の店内で24時間監視体制で張り込むことにするが、そのチキン屋さんの客入りが悪く店主は店を手放す事に・・。せっかくの金星を挙げるチャンスを逃すまいと、班長は、何と退職金を前借りして店のオーナーとなる事を決めてしまう・・。
班長役のリュ・スンリョンを筆頭に、5人の麻薬捜査班のメンバーたちのキャラクター設定がそれぞれ面白い。麻薬組織の会長を演じるシン・ハギュンも含め悪役陣やライバル刑事も、どこか可愛げがあり、視聴者目線では、'本当の悪党'が誰も出てこない映画ってのは、やっぱりコメディとしては気持ちいい。
冒頭部分の韓国コメディあるあるのドタバタしたギャグシーンさえ乗り越えられれば、登場キャラクターが軽く口にする台詞が実は終盤に大きな意味がある事に気付かされるなど、生き生きとした会話やストーリーの伏線回収も上手い、非常に良く出来た脚本。
麻薬組織の会長のボディガードが、あらゆる武術に長けたモデル体型の長身の美女一人なんて設定も実に洒落てる。
リュ・スンリョン、シン・ハギュンの二人は勿論の事、出ている役者さんたち全員の好演で、本当に見ていて楽しかった。
監督・・イ・ビョンホンとあるけど、さすがに別のイ・ビョンホンだよね？
