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戦場でワルツをのYutoのレビュー・感想・評価

戦場でワルツを(2008年製作の映画)
4.5
イスラエル製作の長編アニメーション映画

1982年、レバノン内戦。
イスラエル軍に従軍した映像作家アリ・フォルマンは消えた戦争の記憶を取り戻すべく、当時の仲間そして記者との対話を重ねる。
フォルマンの唯一の手がかりは、虐殺の幻覚。


イスラエル映画を鑑賞すること自体初めてだが、アニメーションのドキュメンタリー映画もまた初めて。
独特な制作技法のアニメーションが、過去と現在、そして夢と幻覚を淡々と、ときに狂おしく、または優雅に描く。

プロットだけなら『永遠の0』に近い感じですが、遥かにフラットで生々しい映画です。間違っても娯楽映画として鑑賞することは推奨しません。

映画ファンなら一度は観るべき傑作だと思います。


〈サブラ・サティーラの虐殺〉
1982年9月、当時のレバノンの指導者バシール・ジェマイエルを暗殺された報復として、親イスラエル政党ファランヘ党などで構成される民兵組織「レバノン軍」によるパレスチナ人難民虐殺事件。
イスラエル軍はレバノン軍の要請で難民キャンプに信号弾を発射、これを合図にレバノン軍が虐殺を開始した。

2021年114本目
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