ブラックユーモアたっぷりのドタバタ劇。
人によっては、不快さを感じるかもしれない。最初、自分もそうだった。
特に、草彅剛さんが、くずな長男を演じていて、それが小憎たらしい感じで、吐き気を催すほど。（それだけ、草彅剛さんの演技が素晴らしい）
また、ほかの兄弟も、自分のことしか考えないくずっぷりだし。
そんな中で、唯一救われたのは、草彅剛さん、新井浩文さん、MEGUMIさん、中村倫也さんら４人兄弟の両親役の藤竜也さんと榊原るみさんの存在。
藤竜也さんは、どの映画でも、何とも言えない雰囲気を醸し出していて好きな俳優さん。孫と一緒にスイカを食べながら、種を飛ばすシーンは、笑えるし、ほのぼのするし、長男が感じている親からの愛情のなさとは真反対に、長男に対する深い愛情を感じる。
夫婦労わりあうシーンや実際は子どもたちを思っているシーンが、これまでの、自分の両親を思う気持や行動を思い起こさせる。
自分が親にしてきたことは、この映画の兄弟たちと変わりないのでは？
自分の幸せばかりを優先してきたのでは？
と。
いずれにしろ、親子や兄弟にスポットを当てた強烈な映画であることは間違いない。
きっと、誰もが、多少なりとも、親との関係、兄弟との関係を考えさせられると思う。
