なんだか凄い映画を観てしまった。
ジェンダー、ファンタジーとリアリティ、マイノリティとマジョリティ、美醜、人種、様々な「ボーダー」を織り交ぜ、固定観念をぶち壊して来る作品。観終わった後の余韻が凄い。
異変を嗅ぎ分ける事の出来る税関職員のティーナは、ある日奇妙な男ヴォーレに出会い、関わりを持つ。それによって彼女の人生は真実へと翻弄されて行く…。
映像としては観る人を選ぶかなと思う。個人的には虫が辛かった💦とにかく色々と直接ぶつけてくるし、そのエグみも含めてこの作品なんだと言う感じ。綺麗な場面もたくさんあったけどね。
ストーリーとしては、余白も多いので、ティーナの人生を思いながら頭の中で想像して話が進む。きっと辛い事がたくさんあっただろう、好奇の目で見られただろう、それでも特技を生かせる仕事に就けて良かった…なんて、彼女の事を、何も分かっていないのに、分かった気になっている自分が偽善者丸出しで、なんて下らない人間なんだと考えさせられた。
差別意識というのは誰の中にも潜んでいる。
この作品を観て、何に不快感を感じるか。
その正体があなたの差別意識なのかもしれない。
そして、考える事をやめたらいけないと思った。
自分を見つめ直す機会になるような作品。
誰かと語りたくなるし、これは忘れられない映画になりそう。そして好みの映画でした。
全然関係ないけど、ヴォーレがEXITのりんたろーに見えて仕方なかった。
あと、Filmarks愛用者としては、この作品の人のレビューがめちゃくちゃ気になる作品でもあります。
2021-105