ぐだぐだ

ボーダー 二つの世界のぐだぐだのネタバレレビュー・内容・結末

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

最終的にヒロインが人間世界に戻ってしまうバージョンのシェイプオブウォーター。
代わりに、ヒロインには2人の間に生まれた子供が残される。


登場人物の関係を表すのに食事シーンが効果的に使われていて面白い。

・冒頭のシーン、1人虫を手に乗せて見つめるティーナ。何もせず虫を地面に戻す。
・ローランドと2人での食事は、ガツガツと食べるローランドに対して、ティーナは不味そうにパスタをかき混ぜるのみ。
・ティーナが病院にいる父のためにタバコを買っていく。本来は禁止されているだろうタバコをもらい旨そう吸う父。
・ヴォーレに勧められ、初めて虫を口に入れるティーナ。戸惑いながらも笑みを浮かべる。
・ティーナは1人でも山を這い回り虫を食べるようになる。家(人間界)を歩く時も背が丸まり常に鼻息とうなりが混じる。
・ヴォーレ、ティーナ、ローランドの3人で食卓を囲む。ヴォーレとティーナは旨そうにエスカルゴをすすり、肩身の狭そうなローランド。会話もヴォーレが主導して進めていく。この食卓では完全に人間とトロルの人数比とパワーバランスが逆転してしまっている。
・父から自分の出生の秘密を聞き、激奮するティーナ。父に用意されたピザを離れた卓に置き、立ち去る。
・ティーナはぐずる赤ん坊に虫を食べさせ、愛しげに微笑みかける。

虫を食べるシーン、ラブシーン、赤ん坊などのビジュアルが、すっごいキモいのにキモすぎない。
自然で美しく、愛らしくも見える絶妙なバランス。
これがもうちょいキモかったら、同じストーリーでも感情移入ができなくなってしまうと思う。
いやまあキモいけどね。
食事しながらは絶対に見られない映画だと思いました。

鼻をうごめかし、唸り、噛み付くようなキスをし、なんとも言えない表情で二つの世界に引き裂かれるティーナの顔芸が圧巻。
18キロの増量、犬の真似、4時間かかる特殊メイクをして役作りをしたそう。
特殊メイクなしだとまるで別人の美しい方で、度肝を抜かれた。
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