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ボーダー 二つの世界のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)
3.5
【人は誰しも《BORDER(境界)》を引いてしまうものだ】
第91回アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞ノミネート作品。無事アカデミー賞前に鑑賞することができました。

この作品は税関職員というBORDER(境界)を守る者が、人間社会というBORDERから爪弾きされてしまう様を風刺したブラックラブストーリーだ。主人公のティナは、醜い顔を持っている。しかし、匂いで危険を探知できる特殊能力を見込まれ税関職員として働いている。彼女は、歯で危険を嗅ぎ分ける。

シィーー、、、シィーーー、シィーーー!と歯でやってくる人々が違法物を持っているのか否かを判断するのです。彼女の的中率は100%相方が、「おい、ティナ、こいつ違法物持っていないぞ!」と言うならば、じっくり歯で危険物の場所を突き止める。例え、スマホカバーに隠していたとしても、彼女の歯は誤魔化せないのだ。そんな彼女の前に、彼女と同じように醜い顔を持った男が現れる。しかも、危険の香りがするではありませんか!しかし、バッグを調べても何も見つからない。なんだろう...と思っていると、また奴が現れた!今度こそ...と思うのだが、またしても見つからない。

本能的に何かを感じ取った彼女は、旅人である彼に住居を提供する。虫を食ったり奇行を繰り返す、その男にだんだんと惹かれ合い、彼女が感じたあの香りが《恋》であると分かってくるのです。

人は誰しもがBORDERを意識的/無意識に引いてしまう。そして、自分と似たような人に惹かれ、自分のBORDERに迎え入れる。本作は一見するとオフビートなアメコミ映画を思わせるヒーロー/ヒロイン映画であるが、実は類は友を呼ぶ、村社会と差別の形を強烈に風刺した作品だったのです。後半にいけばいくほど、理解し難い展開が待ち受け、ラストには嫌悪感を示す人が出てくることでしょう。それでも、この映画は面白い。オススメしたい。テアトル系の番組編成をしているNISHI THE WILDさんも賞賛していたので、恐らくヒューマントラストシネマ渋谷で公開されることでしょう。

今年は、『サスペリア』、『CLIMAX』、『THE HOUSE THAT JACK BUILT』とファンタスティックな傑作が沢山公開されるが、その1本に『BORDER』仲間入りしました!