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ボーダー 二つの世界のshingoのレビュー・感想・評価

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)
2.4
スウェーデンから投下されたある意味「ジョーカー」を軽く越える強烈な爆弾。斬新過ぎるプロットと最高に気持ち悪いショットの連続で観る者を引き込んでいく(若しくは突き放していく)18禁のダークファンタジー。

生まれつき醜い容姿にコンプレックスを抱き、自分は他人と違うという疎外感を持つ主人公。そのかわり何故か人間の罪悪感や嘘を嗅ぎ分けるという特殊な能力を持っており、その後自分と似たような容姿の男と出会ってからの予測不能な超展開は魅力的ではある。

ただこの作品も最近の話題作同様、社会からはみ出された人の怒りや苦境が描かれているけど、物語自体の力が強過ぎてテーマが曖昧になってる感が否めない。強烈なショットの連続も凄さの為の凄さというか、悪く言えばただの自己満足で終わっている印象。唯一この内容でボカシを一切入れなかったことは賞賛に値する。

ちなみに原作は「ぼくのエリ 200歳の少女」のリンドクヴィストで、小説は読んだことは無いけどモリッシーのファンらしくてスミスの歌詞とか頻繁に出てくるらしい。それを聞くとこのダークな内容も納得。
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