のほほんさん

ボーダー 二つの世界ののほほんさんのネタバレレビュー・内容・結末

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

原題の意味はわからないが、この邦題は素晴らしいのではないだろうか。タイトルを元に作品への理解を深めていけるような。


二つの世界と言っているが、実際のところ二項対立ではない。
本作では色んな二項が提示され、そのボーダーが次々と崩される。人間とトロル。男と女。そして善と悪。

変な目で見られながらも人間社会で生きてきたティーナと辛い目に遭わされ続けてきたヴォーレ。それぞれの存在そのものが人間社会と関わっている。

トロルの性別は人間とした時の見た目とは異なり、女に見えるティーナから男性器が伸びて性交に至る。自分がトロルである事すら知らなかったティーナにはそれもとんでもない衝撃。

アイデンティティを与え、そしてこれまでの抑圧された気持ちを解放させた、自分がトロルであるという事実。そしてそれを共有できる同胞。しかしヴォーレは自分を苦しめて来た人間と同様の外道な行為を働いている。
定期的に生まれる未受精卵(人間の赤ん坊そっくり)を嬰児と交換している。そしてその手は近所の若い夫婦にも及ぶ。

ラストの解釈は色々ありそう。赤ん坊を二項対立の末の中間の存在として捉える事も出来るし、ヴォーレが仲間が暮らすフィンランドへ到達したであろう事で、人間とトロルの棲み分けが進むと言えるのかもしれない。

思えば、ティーナが心を通わせる野生のキツネや鹿もまた中間の象徴で、同棲中の彼氏の飼っている犬はあまりに人間寄りなんでしょうね