無学

ボーダー 二つの世界の無学のレビュー・感想・評価

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)
3.5
一昨日、仕事終わりに埼玉から柏のキネ旬シアター目指して高速を ( 安全に ) ブッ飛ばす!
一般道が渋滞でギリギリ間に合ったものの、ぐったりの精神にはあまりにキツイ内容で、帰路の疲労感さらに増し
這う這うの体にて無事帰宅。
てことで、ようやくのレビュー。

なんという違和、異質。。。
悪意を内包する「差別」という観念。
秩序のための「区別」や「選別」という作業。

主人公は前者の悪意を向けられてきた苦痛も薄まらぬままに
後者の信念のもと、仕事としての範疇を超えた結果に心痛する。

職場は水際作戦のためのボーダーライン。
そうでなくとも実社会は境界線だらけですわな。

根深い選民意識による賤民蔑視。
その異形はスクリーン越しだから見世物として覗き込めるが、生身で相対したとき、自分はどんな構えでいられるか、
画面からひたすら突きつけられ
ひたすら煩悶させられる。

野生と同調するは無害なればこそ。
人間が飼い慣らした犬の嗅覚はもはや退化し、害とみなし攻撃的に吠えまくるが、序列を察知する本能だけはたいしたもの(笑)
おまえスネ夫だろ。

主人公の咆哮にこもる禍福ないまぜの感情は、非言語的な叙情詩と聞こえた。
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