極楽蝶

異国の丘の極楽蝶のレビュー・感想・評価

異国の丘(1949年製作の映画)
3.5
賞味期限の切れた感動作かなぁ(笑) 太平洋戦争とかシベリヤ抑留とか戦後の日本を経験したことのない僕には、共感できるところ少ない。とは、言いながらラスト近くで戦病患者の病院で兄妹が「異国の丘」を演奏し、患者たちが歌を歌う場面では、ウルッとしてしまったがぁ(笑)
全体的には、これと言って特別なことはないんだけど、戦後を生きて、親族の外地からの帰還を待ち望んでいる(待ち望んだ経験のある)公開当時の人々には、自分自身のことのように共感を生んだ映画だと思う。当時、大ヒットしたという話も頷ける。多くの人が映画を観ながら号泣したのではないかなぁ。
冒頭でアメリカへの謝辞と旧ソ連への批判が挿入されていることも時代性を感じたなぁ。協賛などが流れても、製作の意図が分かるように思います。
一方で、主役となる久米家は普通よりはちょっと良い生活、当時の言葉であればプチブル的なので、共産主義革命などが叫ばれていた当時として、この家族がどのように映ったのかは興味あるところ。
ともかく、この映画を観る前に、太平洋戦争、シベリア抑留、外地からの帰還事業などを少しでも調べておくと、感じるところが全然違うと思います。
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