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パパは奮闘中!のlptsのレビュー・感想・評価

パパは奮闘中!(2018年製作の映画)
3.8
「男性の育児参加」

 男性の家事、育児参加の問題は日本だけではなく、世界中の国でも問題になっている。家庭のことは女性がするのが当たり前という価値観を変えるのはとても難しいことだと、本作を見て改めて感じた。そして、男性の育児参加という題材はこれから世界の映画界でトレンドになっていくと思っている。本作も、この題材を扱った映画で、半ドキュメンタリーと言っていいほどリアルな作品だった。ワンオペ育児を押し付けられ思わず泣いてしまう母親、半分パニックになりながら育児をする父親、そして家族間の関係がどんどん悪くなるなど、正直あまり見たくない家庭のリアルをまざまざと見せつけられる。お涙頂戴のハートフルなドラマではなく、生々しさを存分に押し出すことで、家庭内における様々な問題に観客は否応なく向き合うことになる。家族というコミュニティは閉鎖的なので、本作のような家庭の問題を議論するきっかけとなる映画をつくる意味はとても大きいと思う。当事者である家庭を持っている人はもちろん、まだ当事者ではない人にも見てほしいと強く感じる作品だった。
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