ショウコ

よこがおのショウコのレビュー・感想・評価

よこがお(2019年製作の映画)
3.6
遣る瀬ない…どうしてくれるこの気持ち!
ほほう大人の和製リベンジですかなんて神妙な顔しながらウキウキ観に行った私みたいなのを迎撃する様な作品でした。テーマは「視点次第」ってとこかしら。タイトルもそういう意味なのでしょう。レビュー難しい!

「人生が詰んでいく様子」と「復讐に向けて外堀を埋めるプロセス」が交互に描かれます。冒頭で髪を切っているので、後ろで結んでいるのが過去の出来事。意識してないと混乱する🌀
それなりに幸せな生活がひとつずつ崩壊していく過程の描写が恐ろしく丁寧です。まるで四方から壁が迫ってくるみたい。素晴らしく自然な言葉選び&超絶演技も手伝って、圧倒的リアリティに呼吸が苦しくなる…!

と言いたいところなんですけどちょっと言動が軽率すぎると思った。私ならパンツ下ろすエピソードはあんな状況じゃあの相手に絶対喋らないし、同じ女であれば謝りに行くなんてまず許さないハズ👊そもそも家族に説明しないとかもっての他ですよ。遅かれバレるわけで…。勘の鈍さにも脚本の作為、物語へのお膳立てが見えてしまいました。細かな箇所が男性目線なんですよね😏

でも、これが狙いだったんだと思われるラストの選択にシビれる。なんとなく「親切なクムジャさん」あたりへのカウンターになってる様に見えた。時系列シャッフルの構成もちょっと似てるし…。
悪に仕立てられた誰かがフルボッコになるのを期待してホイホイ釣られ、アクセル踏めー!と心で叫んだ私はまさにあのマスコミ達と同列。ファニーゲームの様な「気付き」を喰らわされた気分です




「視点の対比」「明暗の対比」「色の対比」を意識して撮ってる…っぽい。主人公の潜伏するアパートを逆に見上げるショット、空家の中から道路を見下ろすショット、サイ🦏側からのショット、震えずにはいられない確信的な逆光…。角度が変われば見え方も変わるって事か🤔
あと服装が面白かった。勝負服や基子の絶望的にダサい格好、色など、心情を表す小道具の様に使いこなされてました

入水していく主人公の心象風景は…「手を染め汚れてしまった諦観」って事だと思う。乾いた服のまま岸に居たころには戻れないよね
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