ごろう

よこがおのごろうのレビュー・感想・評価

よこがお(2019年製作の映画)
4.0
助手席で寝る辰男、運命が連れ戻した原罪の場で、強引に贖罪を迫られる市子に提示された選択肢あるいは条件の惨たらしさはあまりにも畏ろしい世界の顔、「顔」の畏ろしさであり、顔を前にした絶叫は、単なる恐怖の感情の発露をその能動性と執拗な長さにおいて越えていて、顔への贖罪を誓う応答となっていた。多分なノイズを孕んだどうしようもない世界としての街の喧騒の中を、感覚を殺して進む市子が唯一見えている、目には見えていないがそれしか見えていないのはおそらくサイドミラーに映った自分の横顔。
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