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FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティーのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.0
ケンダル・ジェンナーやベラ・ハディッド、エミリー・ラタコウスキー、ヘイリー・ビーバー(旧姓ヘイリー・ボールドウィン)など今をときめく旬モデルを起用し、盛大にPRした音楽フェス「ファイア・フェスティバル」を覚えているだろうか?
 2017年4月に開催された同フェスは、小型ジェット機でしか行けない小さな離島にある素晴らしい宿泊施設に泊まり、豪華なグルメを味わい、音楽やマリンスポーツを楽しめると謳ったもの。チケット代が100万円超えする高級志向のフェスは、開催発表された当時はSNSを中心に大注目された。
しかし、ふたを開けてみると、宿泊施設は簡易テントのみ、食事はパン2枚にチーズ2枚だけという、ずさんな運営が浮き彫りになり、参加予定だったアーティストもこれを見かねて直前で出演拒否し、2週にわたり開催予定だったフェスティバルは、なんと初日に中止となる。
その後、同フェスの共同主催者であるビリー・マクファーランドが詐欺容疑で逮捕。ビリーはすぐに約3,000万円を支払い保釈されたが、2018年3月に有罪判決され、6年間の懲役と最大3,300万円の罰金が言い渡された。
警察が動く事態になった問題の音楽フェスから2年が経とうとするなか、今月、その実態に迫った2本のドキュメンタリー番組が登場。
同じトピックだが、まったく異なる2つのドキュメンタリー番組が、なんと大手ストリーミングサービスの競合他社にあたるHulu(フールー)とNetflix(ネットフリックス)から配信される。
このフェスティバルが失敗した理由は、ビリー・マクファーランドにフェスティバルを仕切ることが出来る噐がなかったから。フェスティバルの会場が、どれくらいの客を収用出来るか?ライブにどのような機材が必要か、電力や水道やトイレや宿泊する場所の準備の費用などを現実的に考え準備出来る能力がなかった。
ただイメージを売りつけ、それに乗るバカをカモにする。ソーシャルメディアが発達した時代の詐欺。それが、この事件の本質。
イメージを頭から鵜呑みにせず、冷静に考える頭を持って判断する。そうしないと、カモにされる。そういうことを教えてくれるドキュメンタリー。
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