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任侠学園のろくのレビュー・感想・評価

任侠学園(2019年製作の映画)
3.3
追悼西田敏行②

最近の作品を。

なぜか原作は漫画で読んでいる。この手のヤクザが別の仕事をするのは好きで楽しく読んでいた。本作品も例外でなく肩の荷を下ろして楽しく見れる(まあその点でプログラムピクチャーだよね)。

で西田敏行。流石に体があまり動かないんだろうか。座ったままの演技が多く、往年の西田を知っているものからするとやや物足りない(そのかわり西島秀俊がよく動いている)。

ただ最後の説教はなかなか。西田は好好爺だけど、そんな彼がヤクザの親分をやると凄みがある。「アウトレイジ」「ゲロッパ」などとともに凄みのある西田は全開。前2作に比べると声に張りがないんだけど、その分凄みはあるんだよ。老境の域なんだろうけどそこはアゲ。怖い人は実は大きな声を出さないかもしれない。

そしてベタにいい話。コメディなんで西島大丈夫かと最初不安で見ていたけど心配する必要はなかったぜ。西島しっかりやってますから。極道三カ条を読み上げているシーンににやにや。

珍しく光石研は悪役。この人は弱気な父親役が似合うんだけどまあそこは名バイプレイヤー。悪役もそれなりに見せてしまうのねと感じる。すごいね。

可もなく不可もない映画だけど西田は健在。ほんとよきプログラムピクチャーです。見ている間は楽しくて終わったらすっかり忘れる。それでいいんだよって思って見てました。

※ヒロインに葵わかな。すまない、この女優の良さがあまりわからないんだ。最近多く使われているけど、ピンとこないんだよなぁ。

※冒頭で西田とねじねじ中尾彬の組長トークがある。二人とも亡くなってしまったのでちょっとさびしい気分で見てしまった。思いっきりコメディ映画なのにね。

※エンディング曲が西田の「また遭う日まで」。これがなんともいい。西田、歌が上手いってわけじゃないのに妙に聞き入ってしまう。哀愁があるんだよ。そういえば「もしもピアノが弾けたなら」もなんとなくいい曲だよ。
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