こまだこま

ロマンスドールのこまだこまのレビュー・感想・評価

ロマンスドール(2019年製作の映画)
3.6
タナダユキさん原作の映画。"百万円と苦虫女"が好きで、かつ高橋一生さん、蒼井優さん主演作品となれば観るしかない。しかもラブドール職人たるや、ドール作りのシーンも観られるとワクワクで鑑賞。
結婚後、紆余曲折あり時にぶつかる2人。何でも言い合うことって、自分も相手も傷つくかもしれないけれど、人と関係性を築く上で時に必要なんだなと思った。あと当たり前だけど、やっぱり人間っていいなって思う。体温、表情、声、匂いとかって生きているその人しか持ち合わせられない特別なものだから。人の強さも弱さも含めて愛おしいと思わされるような作品だった。主人公らを取り巻く人物(例えば造形師の先輩など)が飲みの席でバックグラウンドをぽつりと話すシーンもよかった。仕事も恋も結婚も浮気心も、良くも悪くも全てご縁なのかもしれない。
余談となるが、作中の工場や事務所に置かれているのが、オリ〇ント工業社のドールと分かってしまう己の面食いさよ。。
桜のエピソードの他、人形にサンタクロースの帽子を被せたり、ツクツクボウシの鳴き声を効果的に使ったりといった季節感の表現が繊細でよかった。never young beachの"やさしいままで"という主題歌もとても素敵。
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