OASIS

イン・ザ・ハイツのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ミュージカル映画ってどれか一曲はキラーチューンが無いとダメだと思うが、これはその点オープニングだけで達成していると思った。
そこからさらに、どれがどれとは印象には残らないものの、各々の楽曲が全体的に高いレベルで安定していた。

ミュージカルで2時間半は長いよと思うし、台詞1割歌9割くらいの比率で進むもんだから、上映時間が長い割にはそこまでキャラが深堀りできてはいないんじゃないかと。
ただ、元が個性的な面々だから大体はこういうキャラなのねというのは予想できるし、各自見せ場もある。
後々各キャラの性格に沿った展開にもなっていくし、分かり易さはあった。

あと、全体的に陽キャラが多くて終始明るくテンションが高いのも入り込みやすい理由だった。
移民系の人種が集まるワシントンハイツはウエスト・サイド・ストーリー的な匂いが強く、もちろん差別的な側面はあるが基本的には皆が小さな夢を持ちながら暮らしているという明るさが全面に出ており痛快さがある。
アブエラが亡くなってしまうと少ししんみりとしてしまうこともあったが、やっぱり明るくなくっちゃとすぐに元の騒がしさが戻ってくる点も、らしくて良い。

ウスナビが故郷にもどらなかったのは残念だったが、この街で暮らすということが夢を見ることであり、居続けることで夢を見続けることができるという発想がなるほどと思わせる幕引きだった。
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