物語を「語る」ことを優先しすぎて、ほとんど誰かが「喋る」ことで話が進む、僕の苦手なタイプの映画でした。
これは「小説の映画化」が足を引っ張ったのではないかと思います。
原作小説は読んでないのですが、上下巻で骨太な内容なのは想像できます。
恐らくこの映画はその原作の良いところをかいつまんだ結果、どうにも深みのない作品になってしまったのではないかと感じました。
原作者は服役経験もあるらしく、刑務所シーンはおもしろいところもあるんですが…。
映像として印象的なのは「視線」が行き交うところぐらいで、全体的にストーリー(原作)を展開することに精いっぱいで、映画的な喜びがなかったです。