ハミングバードとは、高速で羽ばたくハチドリの一瞬の羽ばたきの超高速の速度に由来している。
よくネットなども一瞬で遠くに情報が届くと漠然と思っている人がいるが、光の速度でも0.1秒で地球一周はできない。つまり、地球の裏側とやり取りする場合、高速でも0.1秒以上のラグが生じる。普段の生活で0.1秒などの世界は関係ないが、株の取引きで高頻度取引（High-Frequency Trading、"HFT"）を行う人にとっては相当な時間なロスである。小数点の世界のラグで莫大な損得が発生してしまう。
これだけネット回線が発達しても証券取引所の周辺に証券会社がひしめくのは、こうした時間ロスに伴う損失を回避するためである。本映画は0.001秒の時間の短縮に挑んだ男たちの物語である。
アメリカンドリーム感もあるし、こうしたHFTに関する基礎知識としても本映画は面白い。まぁ、落ち着いた映画だが、実話ベースなのでいかんせんラストはしっぽりしている。Filmarksでの評価はさほどだが、普通に金融業界の教養映画として観ていて損はないと思う。
