ペコリンゴ

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜のペコリンゴのレビュー・感想・評価

3.8
記録。
チョコパイには御用心。

1960年代アメリカ南部ミシシッピ。そこでは白人が黒人のメイドを雇い、家事は勿論子育てすら大部分を依存する。そんな通念と舞台をベースに紡ぐ人間ドラマ。

大学卒業を機に故郷に戻ったライター志望のスキーターは、みな家庭を持った旧友たちの黒人メイドに対する態度に疑問を覚える。彼女はメイドたちの真実を取材し、一冊の本として世に送り出そうと思い立つ。

小さなコミュニティ内に閉じたお話なので、スケール感は無い分濃密。お察しの通り差別感情がストーリーの根底にあるので重々しくなるのかと思いきや、案外ユーモラス多め。精神衛生に優しいお粥のような作品だ。

物語自体も勿論良いのだけど、女優陣の魅力がスパークしてる作品でもある。

髪の毛クルクルなのがむっちゃ可愛いエマ・ストーン。各映画賞で助演女優賞をかっさらったオクタヴィア・スペンサー。劇中屈指の切ないシーンの主役ヴィオラ・デイヴィスに、クソ女をこれでもかと体現し多様な表情を見せるブライス・ダラス・ハワード。

この映画に彩りと広がりを与えているのは彼女たちに他ならない。それ無くしては単なる地味目なイイ話で終わってたかも。

少し長めな上映時間もあまり気にならない、良い作品だったと思います。