装丁家 菊池信義を色々な角度から描く
ファーストカット 紙をくしゃめる音の先入りから始まり手元のショットから入る 寄りから引きへ 徐々に人物が見えてくる構成 最近の作品において多く使われるサスペンス的な物語の始まり 観客の興味を引く効果
作品の構成は白バックに黒文字の短いテロップを載せ その題材を菊池さんはじめとしたアシスタントや弟子、依頼する出版社、印刷会社までに広げ「菊池信義」を描いていく
更には人物を描くと共に装丁家の職人技を深堀していく デザインに込められた気持ちを聞くわけではなく工程をカメラに収める そこから伝わるものを観客は想像していく
感想になるが 被写体と制作側との距離 それが心地良く 且つ垣間見える監督の広瀬さんが見る菊池信義さん(装丁家)の像が強く出ていたと思う そして物語の終わりが菊池さんの引退の話へとしっかりストーリーがあって 菊池信義さん自身その時その場所で撮られるべき存在であったのかなと少し思った インサートの実景がまた綺麗だった…
∴雑談
ファーストシーンの菊池信義のテロップはフェードインからの画と一緒にカットアウト タイトルのつつんで、ひらいてはカットインからの画をフェードアウトさせてテロップ残し そこのテンポの作り方が秀逸だった
音楽を使うシーンが多く見られた タイトル後の印刷機とのテンポの相性が良かった さがす の章の冒頭の菊池さんの買い物のシーンでの音楽など映像的工夫がいくつも見られて読み取れない部分もあったが気付いた点として
菊池さんが人間との関わりの中でしか存在しないと語った如くの作品って感じがした