みむさん

バーデンのみむさんのレビュー・感想・評価

バーデン(2018年製作の映画)
3.5
白人至上主義者に育てられた若者が、その差別主義に決別しようと葛藤する話。
ジェイミー・ベル主演の「スキン」に似ていたがこちらのほうが希望があった。

一応サンダンスの観客賞取ってるがあまり話題にならないのはその内容と地味さのせいかな?
ギャレット・ヘドランド、アンドレア・ライズボロー、フォレスト・ウィテカー、トム・ウィルキンソン共演。

1996年の話を元にした映画。意外と近年の話だった。
KKKのリーダーがレッドネックKKKミュージアムを設立したことによりサウスカロライナの小さな町のコミュニティに緊張が走る。
レッドネックとは南部の田舎の低所得の肉体労働者、南部の無教養な白人労働者を指す蔑称らしい。

元々差別主義ではなかっただろうに、高圧的なKKKリーダーにほぼ反抗できないイエスマン状態のメンバーたち。しかし、マイクはその活動に一瞬疑問を感じ、なおかつ愛した女性が反KKKだったこともあり、苦悩しながら変わろうとする。

過去を悔いて新たな人生を歩むにはあまりに危険な環境だったが、フォレスト・ウィテカーが演じるケネディ神父の心が広かった。あれはなかなかできることじゃないと思う。彼の子供を含む周囲のリアクションも当然だと思う。

数々の悪行をしたにもかかわらず、その寛大な心に触れて改心していく良い話だが、最後まで「こいつトムに殺されるんじゃないか」とヒヤヒヤした。

何がきっかけでもいいから、こうやって気づいて心を改めて生きようとする人が増えれば差別も徐々に減ってなくなるだろうに。そうもいかないもんなのかね。

ギャレット・ヘドランドのあの歩き方はなぜ?と思ったら彼が演じるマイクは戦地で負傷して膝にも金属入ってると劇中で言ってた、そういえば。
トム・ウィルキンソンが怖い。
アンドレア・ライズボローは見るたびにイメージ変わる。今回メイクバッチリめ。