jonajona

ゴーストバスターズ/アフターライフのjonajonaのレビュー・感想・評価

3.1
作り手と見る側の間で、エイティーズリバイバルに求める楽しさや価値の捉え方に齟齬があるように感じた。オバケ全然ワクワクせんかった。

主に若い世代の間で(?)沸騰中のエイティーズへの憧景の中には、現代に求められがちな固っ苦しく『重厚な』ドラマ性の高さなんてものに辟易した末の、そこんとこ無視したある種の『お気楽さ』『ざっくり加減』が確実にあるはずなのだ。
だけどどうやら作り手は『なに!?エイティーズリバイバルだと!?な、なら現代でも通用するような重厚さでがつんと泣ける渋いの作ってやろう!そういうのが好きなんだろ若い奴らはどうせ!』ってなってそう。ちげえなーって思った。

ジュブナイルっぽい良い雰囲気は漂ってるものの、未見ながらなんとなくイメージしてたゴーストバスターズのワイワイ感はなくおとなしめな印象だった。(完全にテーマソングのイメージなのだが…笑)

秋の田舎のだだっ広い場所ばかり映るのって寂寥感がやばい。ちょっとエイリアンバスターの傑作コメディ『エボリューション』を彷彿とさせるが、やはりあのくらいのテンションが恋しい。ストーリーが一方向にだけ流れてて淡白だしお通夜感がある。

主役の全然面白く無い化学ジョークを言う女の子やノリノリで好奇心旺盛なアジア系のお友達は可愛らしくて応援できるのだが、お化けが出るまで1時間くらい何も起きなかったり(復活の感慨を高めたかったのかもしれないが)大人同士のエロい距離の詰め方が異様に早くて生々しくて変な感じだった。ジュブナイルで子ども向けにするならそれはそれで気取らず序盤からマシュマロマンでいいんでねか?と思ったね。
関係値を練る時間をたっぷりと取ってる割には、いまいちねりが甘く感情につながらないしゴーストとの因縁も親世代のあれやこれやでお前そんな気負わんでも…と思ってしまった。不覚にもお友達がいった『しんどっ』っていう言葉がマジでそれ!って感じで笑えた。あの子好き。
基本的に親世代を肯定したいって気持ちが報われるのはいいことでもあるし素敵だと思う反面、実際にはそんな都合のいい話ってまぁないわけだし、必要以上に前世代を肯定したり持て囃す流れはファンタジーの中でも面白いのでよく取られる手法だけどちょっとどうかと思う事がある。あの子の素直すぎる『しんどぉ』てのは、まさにその違和感を言い表してる気がする。作り手の意図とはちがうんだろうが。
そこまでして頑張ったのはすげぇけど、家族には実際迷惑かけてたし仲間がいるうちに話し合えばみんなで対策立てれたんでねぇの?って屁理屈ばかり考えながら見てました。笑

てかなんかエンドロールのぐだぐだ具合も変じゃね。アベンジャーズ見て肩壊したのかなんで何回も変なの挟み込むの。

【今日の名言】

ーやっぱり変人じゃなかった!
ー…なんの話?
ーわたしたちのおじいちゃん!
おじいちゃんがこれを作ったんだよ!
信じてもらえなくてもみんなを守ってた。何もかも犠牲にして…人生も、仲間も、
家族も…!
(一同思いを馳せて黙る中、友達呟く)

ーしんどっ
jonajona

jonajona