ほーりー

レオンのほーりーのレビュー・感想・評価

レオン(1994年製作の映画)
4.4
茶の間のすだれをみるたびに、ああいうくぐりかたをしてしまう。

これすなわち、悪影響という(苦笑)

チャーチル役でオスカーを獲得したゲイリー・オールドマン。数々の作品に出演しているが、一番強烈なのがやはり本作のスタンスフィールド役だと思う。

クサくてキレッキレでエキセントリックな演技なんだけど、でも現実味がある役柄を見事に演じ、登場時間はジャン・レノやナタリー・ポートマンに比べれば短いにもかかわらず、主演二人と同じくらいのインパクトがある。

その後、ノーランのバットマンでゴードン刑事役を演じたときは、その変わりっぷり(と抑えた演技)に「えぇ!!これ、ゲイリー・オールドマンなの?」と驚いた。

ちなみに吹替では、テレビ朝日版の安原義人が良い。

例えば完全版新録での山寺宏一の場合、「(レオンにスタンスフィールドか?と聞かれ)何かようかな?」って台詞なのが、安原版だと「さようでございますが」になってる。

この「さようでございますが」って言い回しが、本当に軽薄なスタンスフィールドの個性にピッタンコな名訳だと思う。

改めてみると、レオンとマチルダの絡みがコミカルで本当に可笑しい。コメディとしてもよく出来てると感じた。

秀逸なのは、有名人当てゲームの場面。あれだけでもナタリー・ポートマンがとんでもない女優だというのがすぐにわかる。
12歳であれだけ大人もゾクッとさせる芝居ができたのは、この人か「悲しき口笛」の美空ひばりだけだと思う。

なおジャン・レノによるジョン・ウェインの物真似も結構いい線いってる。

純粋なレオンを手玉にとる魔性の女のように見えるマチルダ(いちいち牛乳を吹き出すレオンが不憫なり)だが、結局は周囲にいた大人たちの真似をしている12歳の普通の女の子だというのが観ているうちにわかる。

レオンを真似て単身敵の本拠地に忍び込むものの、スタンスフィールドに捕まってしまい、初めて自分が無力な存在だと気づいたときのポートマンの演技がすごかった。

そんなマチルダを文字通り命をかけて守るレオンが本当に格好いい。
グレネード弾を撃ち込まれた瞬間、咆哮しながらのレオンのどアップに何度観ても総毛立つ。

よく考えれば、最後の銃撃戦でレオンに撃たれる隊員たちは普通に職務に従事しているだけだからお気の毒のように感じる。

みんな覆面しているからまるで悪の一味のように見えるけど(ショッカー隊員みたいなもんですね)。

ラスト、マチルダの言う「レオン、ここなら安心よ」の台詞が実に深みがある。
ついに二人は根っこをしっかり地におろせる場所を見つけたのである。

■映画DATA==========================
監督:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン
製作:パトリス・ルドゥー
音楽:エリック・セラ
撮影:ティエリー・アルボガスト
公開:1994年9月14日(仏)/1995年3月25日(日)