kingyohime

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ーのkingyohimeのネタバレレビュー・内容・結末

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

閉鎖病棟ー精神病院で出会った3人の男女。
一人は、死刑執行されながら生き残り、どこも行く所がなく精神病院にいる老いた男性。
彼は病院内で陶芸をしている。
二人目は、幻聴が聴こえる男性、チュウさん。
三人目は、自殺未遂を繰り返し精神病院に入った若い女性。
彼女は妊娠しており、その子供の父親は母親の恋人。
病院に来てすぐに飛び降り自殺をはかり、流産する。
そんな三人が精神病を患う他の患者さんたちと交流、そして事件が起きてーという話。

割と地味な映画だと思うけど、何故だか全く眠くならずしっかり見る事ができた。
何というか、感動したり驚いたりというほど心揺さぶられる事はないけど、しみじみとくる場面がいくつかある。
それが印象的だった。
例えば、三人ともう一人、カメラ好きな男性が外出した時、ビールを取り上げられた鶴瓶が直後にした笑顔だとか。
若い女性が後半に見た朝の景色とか。
全て言葉にするのでなく、そういうちょっとした画像で語っている部分が良かった。
人は誰かに勇気をもらってそれが連鎖していく事ってあるんだな・・・と思う。
しらじらと明けていく朝に、ささやかな希望を感じた。

いつも思うけど、普通に生きて社会的に認められていても、平気で人を傷つけるような人の方が精神的におかしいんじゃないかと思う。
この映画は原作を昔読んでいたけど、見事に内容を忘れていた。
今回、映画を観る前に自分の本のレビューを見て、女性が言った「おじぎ草」の場面は絶対入れて欲しかったな・・・と思った。
kingyohime

kingyohime